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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#36 朋也episodeEX(1/5)
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朋也episodeEX

ゴールデンウィークの連休が明けて、再び日常へと戻り学校生活が始まる。
それはより現実を思い知らせるかのように中間考査の時期が訪れ、一年生は計9教科のテストが行われていた。

「やっと終わったー!」

けどそれも三日経てば終了。
その三日間+テスト勉強週間の束縛からようやく終わる最終日の今日。最後の教科が終わった途端に解放感に満ち溢れ、大いな喜びが教室内を騒がしくさせる。

「司、どうだった?」

「どうもこうも終われば後の祭り。結果次第で赤点あれば自爆するだけ。」

「僕もちょっと自信ないな・・・。」

何はともあれ中間テストが終わった学生の皆さん、お疲れ様でした。



聞こえてくる声

そんなわけで今日はテストだったので午前中で終了。
午後からは部活動が再開となり、昼食はこのまま教室内で済ますこととなる。

「梅ちゃん大丈夫かな。まさか前日で体調崩れちゃうなんてビックリしたよね。」

「今朝も熱下がらなかったってチロ先生言ってたもんな。面会出来るようになったら梅ちゃんのとこ行ってみようか。」

そして梅ちゃんは体調不良でテスト前日の三日前から学生寮の医務室にて静養中。
教室内に姿はない為、司、比路、朋也のいつもの三人で寮弁を食していた。
けどその時、

「あの二人、よく後藤といられるよな。」

「物好きなんじゃねえの?」

自分らを指してヒソヒソと話す言葉が、朋也の耳に通ってきた。

「・・・・・・・・・。」

それが自分だけなら、いつものことだから慣れていて、まだ平気な方だったのに・・・。
自分と関わり始めてからこの二人まで周りから何かを言われてる事実が気になってしまい、構う心が彼の視野を狭くさせる。



恭の入部先

「朋也はどうする?一緒に梅ちゃんのところに行かない?」

「俺は・・・、いい。かえって梅谷の具合、悪くさせそうだから。」

そんな時、だった。

「峰岸 比路ー!部活行くぞ!今日という今日こそは積年の怨み晴らさせてもらうからな!」

「だから恭と会ってから、まだ一年も経ってないってば。」

さっさと昼食を済ませた恭が隣のクラスからこんにちは。
周り構わず勢いよくご登場したおかげでB組のクラスがもっと賑やかに。

「部活って、え!?キョウまさかヒロと一緒の柔道部に入部したの!?」

「あたぼーよ。」

今月初めに転校してきた彼も、テスト期間が終わった今日からようやく部活動に参加。
比路と同じ柔道部に所属し迎えに来たようだった。

「おかげ様の様々ってやつで。これで正々堂々、比路とヤリあえるわけだ。」

「・・・やっぱり柔道部に入部するんじゃなかったかな。」



さっさと

「ほら。さっさと食って、さっさと牛乳飲めって。」

「ご飯時ぐらい変に急かさないでよ。・・・っ、司あとお願い。」

「ういうい。ヒロすけも克にーちゃんや小町先輩にもよろしく言っといて。」

なので飲みかけ牛乳はいつも通り司にお任せ。

「・・・ご馳走様でした。それじゃあ僕もう行くね。朋也もまた後で。」

「うっし、食い終わったな。さっさと道場行って、さっさと着替えて、さっさと部活しようぜ。」

『さっさと』急かされた比路は、二人より先に昼食を済ませて、恭に青ノ葉 柔道部の部活場所、青ノ葉道場へ連れて行かれた。

「そういえば恭の師匠って、あれからも元気にしてる?」

「おう。また比路も遊びに来いってさ。師匠も会いたがってたからさ。」



園芸部の二人

「それじゃあ朋也。俺たちも部活行くか。」

「・・・・・・。」

そういうことで人数は3から2、この場に残ったのは司と朋也の二人のみ。
二人は同じ部に所属しているので、このまま一緒に園芸部の部活場所へ向かおうとした。が、

「俺は後で行くから森は先に行け。」

朋也は首を横に振って司の誘いを断る。

「ん?何か用事でもあるのか?」

「いや、ないけど。」

「なんだ。ないなら一緒に行こうよ?」

「・・・・・・けど。」

一緒に行けないではなく、一緒に行かない理由を続けて訳を話して説得しようとした。



園芸部の二人 2

しかし、

「も〜、なんだよ。また朋也が『けどけど』煩くなってる。何なの、それ?ハマってんの?」

「いや、違う。」

それを言う前に、また司に遮られてしまう。

「とにかく!俺、まだ園芸部で何していいか分からないんだから一緒に来てよ。朋也がいててくれないと困るんだってば、俺が。」

「 え。それは俺じゃなくても。」

「いいから行くの!」

「・・・・・・ッ!」

流れは完全に司ペース。
断ろうとしたことを断られて、しまいにはこの手を強制的に引かれていく。



園芸部の二人 3

「待ってくれ!」

けどその途中。園芸部へと続く渡り廊下の所で、引かれる司の手から朋也が離した。

「もー!なんなんだよ、さっきから。そんなに俺と一緒に行くの嫌なのか?」

「・・・いや、そういうわけじゃ。」

「じゃあどういう訳だよ。ちゃんと言ってくれないと訳が分からないって。」

そんな彼の様子に司が一つや二つ愚痴を零してしまうのも無理もないだろう。
口ごもってばかりいたって仕方ないし、何の解決にもならない。
だから朋也は今度こそ伝えることにした。

「分かった。ちゃんと言うから、俺の話を聞いてほしい。」

自分は司や比路たちと一緒にいるべきではないっということを。



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