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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#35 帰ってきた青ノ葉(4/5)
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パパ登場

「いたいた。みのるー!」

「パパー!」

『みのう』ではなく、『みのる』のパパ。
その人物とはー・・・、

「「本田先生!?」」

「森くんも峰岸くんも後藤くんも、ありがとうございました。すっかりみのるがお世話になったみたいで。」

司や比路や朋也たちがいる一年B組の担任、本田先生だった。
久野経由の連絡網は久野→日暮寮長→本田先生へと伝わっていった模様。
みのるもパパ=本田先生が見えると司から降りて、パパの元に駆け寄る。

「ほら、みのる。おにーちゃんたちにありがとうは?」

「つーちゃん、ひーちゃん、とーちゃん。ありがとうっ!」

なんとなく誰かに似ていたみのるの顔付きは、本田先生の面影があり、並んでいるとそっくり。

「改めまして。先生の子供の『本田 みのる』って言います。よろしくね。」

そして青ノ葉に迷い込んできた幼い男の子の名前は『本田 みのる』と、本田先生=パパから紹介された。



パパとみのる

みのるを抱っこする本田先生。

「それはそうと、みのる。めっ!約束したよね?お出かけする時はママに言わないとダメだって。ママ、お家で凄く心配してたよ。」

「みのうは、パパに会いたかったの〜。」

「・・・うん。でもママとの約束守らないと、パパみのるに会うこと出来なくなっちゃうよ。」

「やだやだ!パパに会えないのやぁだ〜!!」

その姿は担任の先生というより、お父さんそのもの。
本田家を支える大黒柱としてしっかりしており、教室で見てる彼とは違った印象を持たせる。

「そうだね。パパもみのるに会えないの嫌だから、次からはちゃんとママとの約束守るんだよ。パパとの約束だからね。」

「うんっ!」



最低な計算

そんな微笑ましい親と子を見ていた小町がふむ・・・と何かを考え出す。

「なあ、本田先生。」

「何でしょう?小町くん。」

「みのるの歳って5で間違いない?」

「ええ。この間、誕生日迎えたばかりなので。」

「この間って、いつ?」

そしてみのるの歳と誕生日を本田先生から改めて教えてもらい、『ひー、ふー、みー』と両手の指まで使って計算。

「だいたいアレは10ヶ月程度だから・・・。」

「小町くん。何を計算しているんですか?」

「そりゃもちろん。みのるができたー・・・「豊先輩。デリカシーのないその計算止めましょうね。」

しようとしたが、あまりにも低俗すぎた為、久野が遮ってまで止めさせた。
小町は年頃の男の子らしく色んなことに興味ありまくっているようだが、悪ふざけもほどほどに。



またね

「またねー。ばいば〜い。」

そうして本田先生は一度自宅へ帰る為。みのると一緒にここを後にする。

「豊先輩。俺たちも戻って再開しますよ。」

「えー。まだやんの!?」

「当たり前ですよ。冥なんて帰省連休返上してまで今もやってるんですから。俺らも負けてられませんよ。」

「そこはメイちゃんはメイちゃん、かっつぁんはかっつぁんでしょうがー。」

本田親子も見送れば、久野・小町ともここでお別れ。
先輩二人は青ノ葉道場へと帰って行き、また自主的に稽古を再開させた。
なので残った司、比路、朋也は、

「それじゃあ俺らも寮に帰って、寮長の報告しに行くか。」

「そうだな。」

三人揃って青ノ葉 学生寮へ向かい、玄関にいた日暮寮長の元へ。
実家から学校に戻ったことの報告を済ましたのだった。



花を咲かせた話題の種

それも終われば、それぞれの部屋へと帰っていく。
423号室に帰ってきた司と比路は、さっそく帰省の荷物を片付け始めていたが、手よりも口を動かしている。

「みのるのパパが本田先生でビックリしたけど、無事に会えてよかったな。」

「うん、やっぱり親子っていいね。」

「え、なに?ヒロくん、もう寂しいの?」

「まっさかー。」

ついさっきあったことを話題にさせて、花を咲かせて賑やかになる二人の会話。
おかげで片付けるペースは、とってもゆっくりでのんびりになってしまっていた。

「でも司にもビックリしちゃったな。みのるくんとあんなにも早く仲良しになって。朋也も言ってたよ、みのるくんへの扱い上手いって。」

「ん?あぁ。ちょっとは見直してくれた?」

「うん。見直すどころか驚いたよ。」



昔の自分たち

司の意外な特技が見つかった今日。
それは幼い頃からずっと一緒にいた比路でさえ知らなかったようだ。
けど得意になった理由は簡単だった。

「ほら。昔、ヒロのこと俺よく見てたでしょ?だからみのると当時のヒロがダブって見えて。」

「あ・・・、そうだったんだ。」

ヒロパパのビデオ観た後だから、余計にそう感じたのかもしれないっと訳を話す。
同い年で一日違いの二人だけど、幼い頃は司のがちょっとだけお兄ちゃんしてたから。

「でも全然違ったね。みのる、当時の誰かさんみたいに泣かなかったし。朋也は別として。」

「・・・そうだね。昔の僕って泣き虫だったもんね。司にもくっ付いてばっかだったし。」

気がつけば二人は、いつの間にか昔の話に話題を切り替えていた。
当時の自分たちを思い出しながら、しみじみと語る。



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