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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#35 帰ってきた青ノ葉(3/5)
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三人+一人

けどみのう?は青ノ葉に迷い込んで来たわけではないようで一安心。
だけどこのまま放っておくわけにもいかないので、三人はパパの所まで届けることにしたようだ。

「いったん職員室に向かった方がいいかな。」

「かもね?ひょっとしたらみのう?くんのパパが、いるかもしれないし。」

そして職員室へ移動していると、

「いたいた。やっぱり比路たちだったか。」

「ん?」

途中の道で向こうから久野がやってきて、三人に話しかけてくる。

「帰省からおかえり。今帰ってきたところ?」

「うん、ただいま克也。って、あれ?今日って稽古ある日だっけ?」

その時、久野の格好が私服ではなく道着姿だった為、彼を見た途端に比路は思わず焦って勘違いをしてしまう。

「あぁ、違うよ違う。豊先輩に組手付き合ってもらってただけだよ。」

けど直ぐに久野は、それを否定。
道場で小町と組手を自主的にやっていたが今が休憩中。飲み物を買いに行っていた時に三人の姿が見えたから、こっちにやってきたそうだ。



今まで通りに呼んでほしい

「あれ?結局、比路って克也先輩のこと普通に呼んでるんだ?」

そんな会話を聞いていた司。
比路が今まで通りに久野を呼んでいることに気がつく。

「俺からやめてって言ったんだ。比路に先輩呼ばれると調子狂って。」

「そうだったんだ。なるほど。」

「うん。だから、ね。司もそろそろ止めにしようか。」

そして久野も司に対しても、自分の呼ばれ方に不満を思っていたようだ。
なのでこの機会に半ば強引に止めさせようとする。

「え、無理。だって克也先輩、年上だし先輩だし生徒会だし。とにかくそんな克也先輩を普通に呼ぶだなんて無理無理、出来ないって。」

「比路にも同じようなこと言われたから気持ちは分かるけど、司に先輩呼ばれる方が調子狂うっていうかなんて言うか、とにかく俺が嫌だからやめてほしいかな。」

比路同様に司も久野とは昔馴染みの仲だ。
先輩後輩生徒会とか関係なく、久野自身が嫌だから「今まで通りでいいよ」と、続けて口にした。



今まで通りの呼び方へ

「司にも比路にも他人行儀されると、やっぱり寂しくて。」

そう話す彼の気持ち。少しでも司に伝わったのか。
強く押してきた言葉に、こくんっと頷く。

「本当に今まで通りでいいの?」

「うん。今まで通りがいいの。」

そうして司も比路も久野を呼ぶ時は今まで通りに。
『久野先輩』や『克也先輩』ではなく、昔から呼んでいた呼び方に戻った。

「分かった。実は俺も呼び直すの大変だったんだよね。克にーちゃんのこと先輩って呼ぶの。やっぱり優しいね、克にーちゃん。」

「うんうん。克也は優しいよね。」

「そうかな?自分が嫌で止めさせただけだから、優しいとはまた違うと思うよ?」



久野なら分かるかも?

司、比路、朋也の三人に、久野が加わる。

「後藤も顔の怪我(それ)、大丈夫?」

「・・・約束は、守ってます。」

「克にーちゃん心配しなくても大丈夫だよ。朋也、猫に八つ当たられただけだから。」

「そっか。それでも怪我は良くないけど良かった。けどまた犬飼たちが絡んでちょっかいかけてきたら、いつでも言ってな。その時は俺からも追い払うから。」

「ありがとうございます。」

こうして四人が揃ったところで、そろそろ本題に入ろう。
久野は生徒会の人物でもあるから、みのう?のパパに関して何か分かるかもしれない。
そう思った司は、久野にも協力を求めた。

「克にーちゃん。この子のお父さんって誰か分かる?」

「ん?ってあれ?確かその子ってー・・・。」



再び逸れる本題

「おー!かっつぁん、いたいた!」

けどそれは久野を追って向こうからやって来た小町の訪れにより、また話が逸れてしまう。
小町は今まで久野との組手に付き合っていたから、彼ももちろん道着姿のまま。柔道部の部長だけあって、普段の胸アピールした格好より、シャキッとしている。

「戻って来るの遅いから、どこまで買いに行ったのか捜したでしょうに。」

「あ、すみません。直ぐに戻るつもりでいたので、つい・・・。」

「って、峰ぎっちゃんもいたのか。」

「豊部長もお疲れ様です。」

そして今ここに比路、久野以外に。自分の知らない後輩が二人もいたことに気づき、ふむふむと納得。

「ふむ。今度こそ後輩二人のナンパ成功?赤飯炊く?かっつぁん。」

「そんなんじゃありませんから、結構です。」

理解すると共に案の定のことを言ってきたので、久野が真っ先に否定。
でもせっかくだったので、司・朋也には小町を。
小町には司・朋也を紹介して、名を交わし合った。



四人+一人

「小町先輩も、この子のパパって誰か分かります?」

いい加減、いつまでも話を逸らしちゃダメだ。
司、比路、朋也、久野の四人に小町が加わり、五人の知恵を使い、みのう?のパパの情報を集める。
するとそれは司の読みの通り、適切人物だったようだ。

「あれ?確かその子ってー・・・。」

「やっぱり前にも来てたあの子ですよね?」

久野と小町の二つの意見が、見事一つに一致。
二人は、みのう?のことを知っていたみたい。

「司、ちょっと待っててね。今、蓮さんに連絡取って『みのる』くんのお父さんに来てもらうよう伝えるから。」

「克にーちゃんも小町先輩も知っててよかった。」

「ん?つかっちゃんも峰ぎっちゃんと同じクラスなら、知ってる人だねぇ。」

久野経由の連絡網で、パパに連絡がついた模様。
『向かわせたからその場で待ってろ』と指示が入り待っていると、しばらくも経たないうちに直ぐ向こうからやって来た。



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