実家に帰ってきてから二日目の朝。 ここはもう青ノ葉の学生寮じゃないんだから、朝の清掃時間も気にしなくていい。 寝坊だってしたっていいのに、身に付き始めた習慣がいつも起きる時間に比路を夢から覚まさす。
(ん・・・、朝?)
見慣れた天井、見慣れた布団、見慣れた景色。 けどここは自分の部屋じゃない。 起きて直ぐに司の部屋だと分かり、実家に帰ってきた実感がそこからもやってくる。 ごろんっと横に寝返ると、そこにはやっぱりこの部屋の主がいた。
「くぅー・・・、くぅー・・・、くぅー・・・。」
気持ち良さそうな寝息をたてていて、まだ起きる気配がない模様。 比路は昨夜のことを覚えてる? そんなところからも昔の懐かさを感じて思わず、
「・・・・・・・・・。」
その当時と同じ行動を起こしたのだ。 もちろん起きませんように、気付かれませんように、と。 どこかの誰かにお願いしながら・・・。
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