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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#33 司と比路 春の大型連休(前編)(1/3)
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大型連休のはじまり

月替わりのカレンダーが捲られてから数日後、5月の大型連休が始まった。
この時期は、青ノ葉学園では特別な理由がない限り学生寮に残ることは出来ず、家族団欒でいられるよう一時帰省を指示されている。
そして司も比路と一緒に帰省して、実家へと帰ってきていたが、もうじき中間テストがあったり、宿題が多かったりで遊んでばかりではいられない。
でもそれを恐れず、帰ってきて早々、積みまくったゲームで片っ端から遊んでいた司。

「っと、もうこんな時間か。」

ふと時計を見ると時刻は午後2時過ぎ。
帰ってきたのは午前10時前。
あれからそんなに経っていたことに気付き、休日の時間が進む早さに溜め息を吐いた。

「あー、休みってなんでこんなに時間進むの早いんだろう・・・。」



待ち合わせの午後2時

そんなこんなでゲームがちょうどいい感じにキリがついたので、うーんっと疲れた体を伸ばす。

「って、あれ?2時過ぎ!?」

そしてもう一度、時間を確認。
その時間に何かあったのか。その何かを思い出して、急に慌ただしくなる。

「やっば!全然準備してなかった!またヒロに怒られるー!」

バッタン、ドッタン、バタバタバタ。
どうやら今日は比路と出かける約束をしていたようで、お仕置きに恐れた司は急いで身支度を始める。
でもこれはこれでいい傾向?彼も高校生になったことにより、少しでも学習したのだろうか。
そうしてやっとの思いで完了したのだが、

「って、あれ・・・?ヒロ、さん???」

向こうから誘ってきたのに、比路の姿が一向に見えない。
遅刻なんて珍しい。何かあったのだろうか。



遅刻の原因:昼寝

このまま待ってても来る気配はなく、仕方がないので司から迎えに行くことに。
もちろん手段は玄関からピンポーンではなく、慣れた身動きで屋根から伝って一番の近道を使い、比路の部屋へ開いてた窓から侵入する。

「おーい、ヒロー?いるんだろ?」

するとそこには、

「すぅー・・・すぅー・・・。」

「ありゃ?寝ちゃってる。」

自分のベッドでグースカピーとお昼寝していた比路の姿があった。
気持ち良さそうな寝息まで立てちゃって、これはちょっと起こす方が躊躇うぐらい。

「・・・・・・・・・。」

どうしよう。

「・・・やーい、チービ。」

悩んだ結果、とりあえず悪口言って、本当に寝てるのか確かめる。



なので悪口言って叩き起こしました

「チビすけ、チビヒロ〜。ちんちくりーん。」

「ん・・・。すぅー・・・、すぅー・・・。」

「あ、本当に寝てる。」

って、こんなことしてる場合じゃない。
今日のお出掛けは比路にとって大事な大事なお買い物。

「こらー!ヒロ起きろー!」

「ん・・・、あれ?つか、さ???」

なのでユサユサ揺すってバシバシ叩いて、無理にでも彼を夢から起こしてあげた。

「なんでこっちに来てるの?」

「なんでって今何時だと思ってんだよ。携帯電話買いに行くんだろ?」

「え。今、何時?」

そして今の時刻を部屋にある時計で確認させると、比路はハッとしてバッと体を起こし、寝惚けも直ぐに解消したようだ。

「あ・・・ッ!ごめん司。すぐ準備するから!」

「いいっていいって。ここで待ってるから、ゆっくり着替えな。」



お仕置きも身支度のうち?

「自分で言っておきながら、こんな時間まで寝てて本当にごめん。疲れてたから、つい・・・。」

「だからいいって、いつもは逆なんだから。確かに帰って来るだけでも疲れたもんな。」

「でもお迎えと、あと起こしにも来てくれてありがとう。」

司はよいしょっと比路のベッドに腰を掛けて、向こうで慌てて着替えている彼を眺めながら待つことに。
中着用から外出用の衣類に替わるそんな一連の流れを、喋りながら始めから最後まで見届ける。

「でも何でだろう?起きた時から司をぶん殴らないといけない気が済まない感じがして、仕方ないんだけど僕。」

「き、気のせいじゃない?」

「本当に?寝ていた間、変なこと言ってなかった?」

「言ってない言ってない。ヒロくんのことチビなんて言ってないよ。チビすけとかチビヒロとか、ちんちくりーんとかも言ってないから。」

「・・・やっぱり言ってたんだ。なら覚悟は出来てるってことだよね?それ。」

そうして比路も身支度が整ったので、これで準備はOK。

「ぎゃああああああ!!!」

司へのお仕置きもしっかり済ませてから、外へと一緒に出かけて行く。



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