「アデレード。疲れてないか?荷物を持とう」

「Grazie,リゾット」

「急に来るなんてビックリしたぜ!言ってくれたら迎えなの行ったのによ、しょうがねぇなぁ」

「フフ、驚かせたかったのよ」

「俺たちに会いにこんな所にまで来たのか?」

「こんな狭いアパートに来なくても良かったのによぉ」

「そうよ、メローネ。あら?ギアッチョは私に会いたくなかった?」

「アネキが来てくれるなんてアニキ喜んでますよ!」

「ペッシは?喜んでくれる?その呼び方はやめてちょうだい」

「わ〜美女を前にしてイタリアーノ丸出しですねぇ!メローネさんとギアッチョは大家の私の前でよく悪口言えますねぇ!あれ?そのアニキはどこに?イルーゾォさんもいませんね?」

「急いで用意したが無駄だったようだな。……どんなに綺麗な花もお前の前じゃ霞んじまうんだからよ。引き立て役だと思って受け取ってくれるか?アデレード……」

「Grazie,プロシュート。綺麗な薔薇ね」

「う、うわ〜!ほっぺにキスする挨拶!映画でよく見るヤツだ〜〜〜外国人っぽい〜〜〜!マジで薔薇の花束渡してるのウケる!え!?プロシュートさんがストロングゼロ以外のものを持ってるの久々に見た〜〜〜!」

「気持ちは解るが二度見すんなよ」

「煩ぇぞ、大家!!」

「外国人っぽいってなんだよ。どう見ても外国人だろーが。馬鹿っぽい感想言いやがってよォッ!」

「わーお!私には通常運転ですね!辛辣!!」

「……ゼェゼェ……。よぉ、アデレード……」

「あら、イルーゾォ。お疲れね?」

「プロシュートに花屋に連れていけって脅されッテェ!!!おい!!蹴るな!!」

「黙ってろ、と言ったよなぁ?」

「典型的ないじめッ子といじめられッ子の図だ。プロシュートさん、イルーゾォさん使って花屋に走ったのか」

「あら、じゃあこの花束は本当はイルーゾォからってことなのね?Grazie,イルーゾォ。私のために嬉しいわ」

「……アデレード、疲れてるだろ?静かな場所に行くか?冷たいカフェラテも許可するぞ?キルフェボンのタルトも持ってきてやろう」

「あっテメェ、イルーゾォ!」

「ちゃっかり腰まで抱いてるし……。アデレードさんってプロシュートさんの彼女じゃないんですか?」

「…………」

「アッ!アニキーーーッ!!しっかりしてくだせぇ!!」

「えっ?私、何かいけないこと言いましたか?」

「白目剥いてるプロシュート、レアだな」

「メローネさん、連写する指の動きじゃないですよそれ」

「プロシュートは元カレよ」

「えっ!?プロシュートさんフラれたんですか!?」

「大家、大家、大家よぉ〜〜〜何で俺がフラれた前提なんだよ〜〜〜ッ!?」

「今の流れからしてどう見てもそうだし、フラレるの解るなぁって」

「何でだよ!!」

「ド派手外国人の見た目で三村マサカズみたいなキレキレのツッコミしないでください!!そういうところですよ!!酔っ払い!!」




イタリアーノとベッリーナ

まだ諦めてないアニキ




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