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結局いつも通りのスーパーに向かい、普通に日常品や食材の買い出しになった。その間に何度もサタンとブブが喧嘩をするので、私は途中でそれを止めるのを諦めた。
サタンを駆り出したからには何か重たい物を、と思ったら、いつも通りの買い出しに米やケースでビール等、重たくなりすぎてしまった。
私は非力だけど、ブブは平気な顔してお米と野菜の詰まった袋を抱えたので、結局あまり問題にはならなかった。サタンはビールのケースを抱えて店を出た。
「これだけか」
「リツカちゃんにタルト買いに行かないと」
「わーい!アタシも食べたーい!」
ブブは後部座席で先ほど買った食パン一斤に、何も付けずにかぶり付いていた。それを見るサタンの目は明らかな軽蔑を浮かべていた。
「食べたいの?」
「いらねーよ」
「あげないもーん」
何度か行った洋菓子店で、私は全員がブブのせいで食べ損ねがない様にケーキやタルトを余分に選ぶ事にしていた。みんなが食べたいかは別だけど、用意すると誰も残しはしなかった。
「サタンは何がいい?」
「何でもいーよ」
「アタシ、チョコレートのやつ!」
「苺は好き?」
「嫌いじゃねえけど、何でもいいっつてんだろ」
「アタシだあーい好きだよ!」
「じゃあモンブランは嫌い?」
「しつけーな、嫌いじゃねえよ、俺車で待ってるわ」
「アタシ、モンブランも好きだよー」
私とサタンの会話に、ブブは合いの手の様に発言を挟んだ。
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▽ Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN