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「で、お前はうっせえんだよさっきから!」
「ひっどーい!サタンのぶん、食べてやるー!」

そしてブブは思い切りサタンの頬をビンタした。その強烈な音に、店員も他のお客も全員が目を丸くした。
サタンはというと、遂にキレたようでブブに掴みかかり、壁にブブを投げつけた。ブブもそれに怒り、壁に投げつけられて床に倒れた状態から、足を回し、サタンの脛を思い切り蹴った。
二人の喧嘩が本格化してきたので、二人に外でやるように言い付け、私は買い物を続けた。
店員は、平気な顔して買うケーキを選び続ける私と、外で本気の喧嘩をしている二人を交互に見ていたが、結局何も言わなかった。荷物持ちが掴み合いをしているので、店員に手伝ってもらい、ケーキを車に運んでからようやく私は二人を止めに入った。

「ブブちゃん、買ったクッキー車で食べていいわよ」
「やったー!食べるー!」
「…」

食べ物の為にすぐ切り替わったブブを、もうただ呆れるとでも言いたげに、サタンはため息を吐いた。サタンは顔にビンタの痕があり、下唇の真ん中あたりを切っていた。ブブの顔に傷はなかったのは、能力の差ではなく、女のブブに、サタンは遠慮したのだろう。


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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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