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私は車の鍵をブブに渡し先に乗っておくように言った。ブブは人懐っこい笑顔で了承すると、階段の奥にあるガレージに続く出口に走っていった。私は一階の隅にあるレヴィの部屋に向かった。
ドアをノックすると返事はなかったけど、中からレヴィが出てきた。

「どうした」
「家にあなただけになるから、リツカちゃんと一緒にいてくれませんか」

リツカが来る前から決まっていたルールが、一つあった。それはリツカから目を離さないという事。先生が決めた事で、リツカが家から逃げ出さない為のルールだった。最初の2日もあれば、リツカが逃げようとする事などない事がわかり、どんどん緩くなったルールだったけど、リツカが暗殺されかけた事から今度は護る意味で一人にさせないようにと決まった。
リツカが襲われた夜、マモンとブブ以外の全員で話し合い、決定し、翌日にマモンも承諾した。ブブには任せられないので、彼女だけは話が別だったけれど。
今はリツカが寝るのもリツカの部屋ではなく、先生の使っていた寝室だった。先生の部屋は三階に集まっていて、寝室は三階の奥にある部屋だった。バリアフリーでドアもなく広々と繋がっている部屋で、毎晩交代で誰かが一緒に寝たり、隣の書斎にいたりで見張る事になった。前までお風呂も私だけだったけど、戸の向こうで男の誰かがいてくれるようになった。
とにかく徹底してリツカを護るルールを先生が決めたのに、リツカは何故か先生は自分を護ろうとはしていないと言った。育ちのせいか、素直になれないのかもしれない。


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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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