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家に残るのはレヴィとサタンとリツカだけだった。先生はいつも通り出勤していて、マモンは叔父に会いに行くと出かけ、ベルは何も言わずに出て行った。仕事の時は仕事と言うので、何か別の用事みたいだった。レヴィはあまり部屋を出ない。リビングで過ごすのは必然的にリツカとサタンになってしまう。
サタンが読んでいる漫画雑誌をリツカは横から覗き込んで一緒に見ていた。その二人の距離に少し嫉妬した。何故、態度の悪いサタンの方が、リツカに引っ付かれているのだろう。いくら優しくしてもリツカは私にすり寄りはしないのに。

「サタン、やっぱりあなたも来てくれない?」
「は?何でだよ」
「今考えたら荷物が重くなりそうなの、男手が欲しいなと思って」

嘘だけど、適当に何か重いものを買おう。
案の定、置いてきぼりのリツカは更につまらなさそうな顔をした。サタンの方も外出を迫られて、戸惑っていた。サタンは外出を怖がっているところがある。警察に見付かるのを怖れているのかもしれない。
でも、サタンは私と同じだった。きっと警察などの表沙汰になる様な相手を殺していない。警察に踏み込まれては、殺した犯人を見付ける以上に、大きな犯罪が見付かるに違いなかった。私達が殺したのは共にそういう人間だった。
そうだとわかっている私は外出をあまりいとわない。もしかしたらサタンは警察以上に見付かりたくない相手でもいるのかもしれない。

「お願い出来ないかしら?」

しかしサタンは男のプライドとして、女の私が気兼ねなく外出しているのに自分は怖い等と、言えないタイプなのだ。返事はわかっていた。

「…わかったよ、準備するから車で待ってろ」
「そうするわ」

私がリビングからブブを連れて先に出ると、後ろでリツカが読んでいた漫画雑誌の続きを買って来て、とサタンに言っていた。サタンは笑顔でまだ出てねえよ、と言ってリツカの頭を撫でた。


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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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