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「…何があったんだ、リツカ…」
「何で」
「いつもと違う」
「いつもと違う私が嫌いなの」
「…いや…。何なんだその質問は」
「いつもと違う私も好きなんだ」

男は額に手を当ててため息を吐いた。リツカは再びクスクスと笑い、突然男にキスをした。
私は熱いコーヒーをキッチンで飲みながら、それを見ていた。つくづく次の行動が読めない少女だ。
それを見て直ぐに行動したのは、同じく様子を見ていた女だった。

「リツカちゃんっ…」

女の呼び掛けで、リツカは直ぐにこちらを向いた。突然のキスに見舞われた男は、表情を硬くしたまま、リツカと距離を取った。

「何、…駄目。リツカって呼んでアスモ」
「リツカ、先生からプレゼントよ」

女の発言には、私も驚いた。
ソファーに座るリツカに近寄りながら、持っていた赤い箱を差し出した。
私は速やかにその箱を受け取るリツカの元に行った。リツカは受け取った箱にも、駆け寄った私にも驚いた顔を見せた。

「どうしたのレヴィ」
「本当に先生からか?」

私は箱を持つリツカの手首を掴んだまま、女を振り返って詰問した。

「ええ…だってダイニングのテーブルにあったのよ。昨日の夜には無かったし…夜中に誰かが家に入ったら、鍵を持っている先生以外だと警報が鳴るでしょう?」

確かにそうだが。

「私は一度も寝ていないが、車のエンジン音は聞いていない」
「サプライズにしたかったんじゃないかしら?先生ってロマンチックな方だし」

私が女と視線を合わせたまま眉を寄せていると、リツカが自分の手首を掴む私の手の甲を指で軽く叩いた。

「確認したらいいでしょう」

手を叩くリツカの目が、手を放せと言っていた。リツカはプレゼントを喜んでいるらしかった。今すぐ開けたいと視線が語った。
私は手を離し、リツカが赤い箱に巻き付くシルバーのリボンをほどくのを見た。リボンに付けられていたカードには、確かに“我が家の姫リツカへ 家主より”と書かれていた。リツカはカードをしばらく見て、膝へ落としてから、箱を開けた。
中に入っていたのは、銀製の櫛だった。精密な模様が型どられており、美術品のように繊細で豪華だった。女はため息を漏らしてその美しさに微笑み、リツカも熱く見とれた。サテンで覆われた型に嵌め込まれて入っていた櫛を、リツカは指で撫でた。そして流れるように指を滑らせて、櫛を取り出した。

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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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