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次の日、リツカは機嫌が良かった。
目が覚めて隣に座っていた私に気付いて、もう一度微笑んで、寝起きの掠れた声で私を呼んだ。

「レヴィ…おはよう」

私は視線だけ返して何も言わなかった。
リツカはまるで気にせずに、ゆったりした動きでシーツから這い出て来て、私の首に絡み付いて来た。

「私が好きなんでしょう」

しつこい。
私は銃を腰に挟んで、首に引っ付いたままのリツカを横抱きにして立ち上がった。

「リビングか?自分の部屋に行くか?」
「今何時」
「朝の8時だ」
「リビング。みんな起きてる」

金髪の男は起きていないと思うが、リツカの言う“みんな”に彼は入っていないようだった。
リツカを抱えたままリビングに着いたが、“みんな”は居なかった。居たのは長身の女と、リツカお気に入りの男だけだった。
私がリツカをソファーに下ろすと、リビングを入ったとたんに集めていた二人の視線は、散った。

「おはよう、ベル」
「…ああ…おはよう…」

リツカは起きた時の微笑みをそのままに、男に挨拶をした。男はその笑顔に緊張しているように、言葉が濁った。

「ベルは私が好きなの」
「…は…え?」
「好きなの?」

普段抑揚のないリツカのしゃべり方に、柔らかいリズムがついて、その語尾に合わせてリツカは首を傾げた。
この男が赤面する姿を、私は初めて見た。リツカはクスクス笑った。
リツカは私を振り返って、嬉しそうに笑顔を見せた。

「ベルも私が好き」

男の無言は肯定と捉えられたらしかった。それを喜ぶリツカは、やはりいつもより遥かに機嫌が良かった。
リツカは再び男の方を見た。

「レヴィも私が好きなの、知らなかったでしょう」

私は話題に呆れたので、キッチンにコーヒーを取りに行った。ダイニングにいた女は羨ましそうに二人を見ていた。


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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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