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人数分買って来た筈のケーキは、何故か一つ足りず、まあ犯人は分かっていたのだけどその残念な報告を一応全員に伝えたところ、レヴィが進んでいらないと言ったので数がそろった。
レヴィは自分以外がデザートを食べているところを、わざわざ見ている気はないらしく、部屋に戻るついでにコーヒーメーカーからコーヒーを注ごうと寄っていた。

「みんな、ただいま」

その声にみんな振り返り、リビングの一番玄関に近いドアに立つ先生を見た。

「お帰りルシファー、早いねー」
「ただいま、マモン。今日は早く帰れたんだ、みんなに会いたくて一直線で帰って来たよ」

私は先生に駆け寄り、コートと鞄を受け取った。コートをかけて鞄を指定位置に置くと、先生はありがとうと言いながらダイニングテーブルの空いた席に座った。

「今日はみんなでご飯食べてたのかい?いいな、私も交ざりたかったよ」
「たまたまそろっただけですよ。先生すぐにご飯食べますか?」
「そうするよ、今日もアスモデウスの手作りかい?毎日ありがとう」

美しすぎる笑顔で、先生は言った。
緊張してしまい、私はぎこちない笑顔を先生に返した。私がキッチンに行くと、レヴィはコーヒーを注いで部屋には戻らずリビングに戻った。代わりにリツカが私に引っ付いて来た。私は驚いてリツカを振り返った。そんな事、ほとんどないのに。

「どうかしたの、リツカちゃん」
「お風呂入ろうかと思ったんだけど」

リツカは首をかしげて私を見上げながら言った。リツカにとっては自然なそれが、あまりに可愛くて思わず笑顔になってしまった。

「ごめんなさい、少し待ってもらえる?先生のご飯用意したいから」
「んー…」

リツカは口を尖らせて、宙を見た。

「今日は僕が見張るよー」

私とリツカのやり取りを聞いて、マモンがソファーから乗り出しながら言った。そこでリツカは、何か思い付いたように、あ、と声を出した。

「マモンと入ればいいよね」
「え」

私の驚きの声はマモンを含めた何人かと、被った。


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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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