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リツカは目を細め、厚い睫毛が目にかかり、目元で影を作っていた。柔らかい口元を微笑ませ、白い歯が見えていた。ふふ、と漏れる吐息も綺麗なメロディのようだった。右手は口元に、左手はお腹に回していて上品に自分を隠していた。
その姿があんまり美しいので、ブブもサタンも痛がる事すら忘れていて、数秒間リツカの肩以外何も動かなかった。リツカも全員のその空気に気付き、すぐ笑顔を消した。

「…何」

全員、何も言わなかった。
何も言わなかったけど、マモンは何故か少し拗ねていて、ブブは私が一人晩御飯の準備をする間に面白い事をやって、もう一度笑わせようと躍起になっていた。
私が人数分をお皿につぎ分けていると、ベルも帰って来て、先生以外がリビングに揃った。
家にいる数としては珍しくないけど、一緒に食べるのは珍しい。
リツカはいらないと言ったり、部屋で食べたりしているし、リツカがいなかったらマモンはリビングにほとんどいない。レヴィは規則正しいので、作るのが遅れたり早かったりすると自分で何かまかなって食べていたりして、サタンは逆に不規則なので、寝ていたりすると夜中につまみ食いしたりした。ベルは外出ついでに外食をして来たり、体調を崩して食べられないと断ったりだった。
つまり必ずいるのはブブだけだった。
今日はリツカもリビングで食べる気らしいし、つまりマモンも一緒で、レヴィは食事の時間、サタンは起きてお腹を空かせていて、ベルは外食をせずに健康体で帰宅した。リビングでみんなが食べる。


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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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