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終了のチャイムが鳴ると響は隣でシャーペンを机にポイッと投げて伸びをした。

「終わったー!お疲れマイロー!」
「お疲れ、それ聞くの二回目だけどね。何故か」
「今日もどこかに食べに行きましょうよ、次はイタリアンよ。話も詳しく聞きたいわ」
「うん…いいよ」

照れる舞良を響はニヤニヤしながら肩をつついて冷やかした。
舞良がその手をパタパタ払いのけていると教室の入り口から声が届いた。

「ナリちゃん!」

響が振り返り舞良も目をやると、そこには朱里が立っていた。
笑顔で響に手を振っている。

教室に残っていたクラスメイト達は学校の有名人を好機の目で見ていた。

直接朱里を見るのは久しぶりだった舞良は息も止まったかのように静止して動けなくなった。

響は立っている朱里に駆け寄った。

「アカリ、どうしたの?」
「あの、実はね」

朱里はそこまで言って響の肩越しに机に座ったままの舞良と目が合った。
朱里のきらきらした笑顔は萎むように消えていき、完全に笑顔がなくなった瞬間に舞良から目を反らした。

舞良もそれ以上見ていられず、荷物を鞄に仕舞う作業に取り掛かった。

本当にもうパーティーに誘うのはやめよう。
清子が行いように仕向けるだろうしどうせパーティーは自分に関係ないと、自分に言い訳してショックを隠した。

「…実は、何?」
「あ…ううん、何でもない!じゃあまたね、バイバイ」

笑顔で手を振って立ち去って行った朱里を見て、響は首を傾げた。


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Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






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