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舞良は響に何て説明すればいいのかわからなかった。

時計を無くしたと言ったら怒るだろうか。

とりあえず時計の事は置いておいて、スーツから自分の服に着替えた。

着替え終わった舞良から奇声の理由を聞いた運転手は、優しく笑った。

「ナリさんはそんな事で怒ったりはしませんよ」

舞良は時計を無くした事を、"そんな事"というレベルには思えなかったが、確かに無くしたからと言って怒る響は想像出来ない。

運転手がそう言って、気持ちが落ち着いた舞良は息を吐いて微笑んだ。

篠崎といいこの運転手といい、本城家の周りは紳士が多いなと思った。

ハンガーがないので適当に置いておく事も出来ずスーツを畳んでよい物かと悩んでいると、灰宮邸に到着したと運転手が教えてくれた。

結局スーツはそのまま放置をして、舞良はリムジンを降りた。

眼鏡とクレンジングオイルを持って、運転手にお礼を言い、舞良は家に帰った。

まだ清子は帰っていない。


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Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






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