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朝が来た。

舞良には憂鬱な朝だったが、愛の車の音でしっかりと目が覚めてしまった。

ガレージで唸るエンジン音に目が覚めて、時計を確認すると午前10時過ぎだった。

パーティーに行くにしては早すぎないかと思い、舞良は眼鏡をかけて窓からガレージの方を覗いた。

大きく開く窓ではないので、しっかりは見えなかったが、そこでエンジン音は止まった。
どうやら車はこれから出るのではなく帰って来た音だったようだ。

ガレージからは愛ではなく恋が出てきて、薄く大きな袋を二つ持っていた。

形からして服が入っているのだろう。

舞良はパーティー当日に仕上がる双子のスーツを洋装店に取りに行く予定があった事を思い出した。

舞良が監禁されているので代わりに恋が取りに行ったのだろう。

しばらくして恋が二階に上がってくる音がドアの向こうから聞こえ、愛と恋の話し声が聞こえた。

そのすぐ後にヒールの音を立てて清子が家から出る音が聞こえ、再び舞良は窓に寄ってその様子を見た。

サングラスをしてブラウンのパンツにトレンチコート姿の清子はどう見てもパーティー向きではなかった。

おそらく美容院かどこかで整えてパーティーに行くのだろう。


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Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






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