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見上げるのが恐ろしく、そのままじっとしていたが、清子の声から清子が泣いている事に気が付いた。
「携帯を出しなさい」
舞良はすぐにポケットから携帯を取り出して渡した。
清子は迷う事なく携帯を反対側に折って、二つに割った。
ボキリと折れる音に絶望感を感じた。
清子はそれをガラス戸を開けてプールに投げると、怒りと涙に震えながら舞良の元に戻った。
舞良の腕を掴むと立ちなさいと言い舞良はそれに従った。
そのまま舞良を乱暴に引っ張り、二階に行き、舞良の部屋に舞良を押し入れた。
乱暴に押し入れられて、舞良はタイルの床にまたも倒れた。
清子は洗面台に鎮座していたセリムを抱き抱えて、ドアノブを掴んだ。
「反省しなさい」
ドアは閉まると同時に施錠の音がした。
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CINDERELLA STORY