P 103/211
清子は次に舞良の財布を開いた。
そこで舞良は嵐が過ぎ去るのを諦めた。
清子は舞良の不安要素に目を止めて、わなわなと震えながらそれを取り出した。
「ホンジョウナリ…」
清子の手には響に渡されたカードがあった。
カードの名義を読み上げて、清子は眉を寄せ、口を半開きにしたまま舞良を見上げた。
肩は震えている。
「あなた…まさか盗んだの?」
「っち、違います…!」
「じゃあ施しを受けているの?!あなたに恥という物はないの?必要な物は与えているのに、意地汚いわよ!」
舞良は冷や汗が額に浮かび、その暴言に清子を見る事も出来ずにうつむいた。
「よりによってヤスの婚約者にお金を貰うなんて…あ、あなた恥ずかしくないの!」
「…」
「何とか言いなさい!」
清子の叫び声に舞良は震えて、清子を見た。
その時には清子は立ち上がり、舞良の鞄を振り上げていた。
かわす暇もなく、舞良は自分の鞄に殴られ、バランスを崩した。
舞良は肩をテーブルにぶつけてから床に倒れた。
←* | top | #→
→ Dog-ear ??
CINDERELLA STORY