P 105/211
舞良の部屋はシャワー室とバスタブと一緒にトイレもあった。
トイレとしても機能する部屋には普通内側に鍵が付いているが、その鍵が外側に付けられ、舞良が最初に監禁されたのは初等部六年の頃だった。
理由は清子が着ていたシルクのドレスにコーヒーを溢したという、ありきたりなドジにより清子の逆鱗に触れてしまった事だった。
それまで部屋に入っていなさいと怒られた事はあったが、鍵まで閉められたのはそれが最初だった。
その時まで舞良は外側に鍵が付けられている事を知らなかった。
その時は夜の7時頃に閉じ込められ、次の朝に愛が開けてくれ、大した事はなかった。
愛は「多田さんがいないから朝食がない、作れ」と家政婦がいない事で舞良を出さないといけない事に不満があるように機嫌が悪く、助けてくれたという雰囲気では無かった。
その時にはもう清子は家におらず、愛も鍵を持っていたに違い無かった。
恋はいつも無関心で、閉じ込められる舞良も解放される舞良も同じような温度で見ていた。
その後何度か清子と愛の手によって閉じ込められる事があったが、昼間に閉じ込められたら夜には解放され、夜に閉じ込められたら次の朝には解放されたので、多少の空腹感を除けば、舞良にとっては家事をしなくていい休み時間の様に思っていた。
その為に今回の監禁が24時間経っても解放されない事に多大なる恐怖を感じていた。
←* | top | #→
→ Dog-ear ??
CINDERELLA STORY