自分の気持ちを宮城に指摘されて「正直参った」というのが最初に思ったことだった。
 けれど、それまでわからなかったモヤモヤの理由が明確になったお陰でなんとなくスッキリしたような気もする。まあ、それ自体は片付いたどころか寧ろややこしくなってしまっているわけだが。
 大体、普通に考えてみればあいつ、もとい苗字名前に自ら関わりにいく自分の行動は最初から少し、いやかなりおかしかったと言えるだろう。
 オレたちはあの朝、日が昇りはじめたホテルの前で別れた。口に出さずとも今後会うことなど万が一がない限りありえないと思っていたし、彼女もそうだったに違いない。それなのに、その数時間後には会社のカウンセリングルームの中で向かい合っていたのだ。
 ちょくちょく昼メシに誘うようになったのはオレの方からで、それを繰り返すようになったのは彼女と過ごす時間が間違いなく自分にとって心地のよいものだったからだ。
 そして、その感情の名前にやっと気付けたと思ったらこの状況である。痛みを知らずして気付ける方法はなかったのだろうか、なんて考えてみたところで、今となってはもうどうしようもない。
 女心なんてもんはいつまで経っても理解出来そうになくて、自分の発した何かが彼女を傷つけたであろうことはわかっていても、それが何だったのかは未だにわからないままだ。
 しかし、あの時の彼女の表情が今も体の内側から針のようにチクチクと地味な攻撃を仕掛けてくる。もうあまり顔を合わせたくない、という気持ちをオブラートにしっかり包んで返されたチャットの返信を思い出し、あからさまに気分が重くなった。
 すっかり姿を現した彼女への好意は、自分の中で到底無視できない程に膨れ上がり、今や相当な面積を占めてしまっている。いっそのこと、本人を目の前にして全てを吐き出してしまえば楽になれるのはわかっているのだが、エントランスでの一件以来どう連絡をとっていいのかわからなくなってしまっていた。

「三井、すっげーカオしてるぞ」

 そう声を掛けられて振り向くと、立っていたのは以前苗字さんと二人で昼メシを食いに行ったことを早々に嗅ぎつけ、そして問い詰めてきた同期だった。

「なに? なんかめんどい案件にでも当たってんの?」

 ヤツの言う「めんどい案件」というのが仕事のことを指しているのはすぐに分かったが、一瞬見透かされているのかと身構えてしまった。

「ああ、まあそんな感じ……でもある」
「ふーん。よくわからんけど無理すんなよな、んじゃまた明日」

 その言葉に「おう」と返して小さく手を挙げ、去っていく背中を見送る。
 ふと左手首に嵌めた腕時計に目をやると、時刻は夜の八時を過ぎていた。今日は一日中外回りをしていて、帰社したのは六時過ぎ。それから、後回しにしていた面倒くさい事務処理をこなそうとパソコンを立ち上げたものの、全く集中出来ずに時間だけが経過してしまっていた。
 少し体を動かすと、同じ体勢でいたせいか硬直していた背中がギシッと軋む。ぐーっと背伸びをしながら辺りを見渡すと、いつの間にか静かになっていたフロアにはもう数えるほどの人数しか残っていない。窓の方へと視線をやると、外はもうすっかり暗くなってしまっている。
 気分を変えるために共有フロアにあるコーヒーでも買いに行こう。それを飲んでさっさと目の前の雑務を片付けてしまおう。
 椅子に引っ掛けていたスーツから財布を取り出し、デスクに置いていた社員証と引っ掴むと、まとめてそれらをスラックスのポケットに突っ込んだ。


 ***


 それで、あんたはどうしたいのよ。
 梅ちゃんにそう問われて、私はどう返事をしたんだっけ。それが全然わからなくて、結局あの時はその問いに答えられなかったのだ。
 普通に出会って、なんとなくそのまま交流して、少しずつ仲良くなって、自然な流れであの人の、三井さんのいいところをどんどん知って好きになっていくことが出来ていたなら、こんな風に悩むことはなかったのかもしれない。
 だめだ、考えれば考えるほど、どんどん深みに嵌まって抜けられなくなっていっているのがわかる。もっと違う出会い方をしていたらなんて今更が過ぎるし、自分がどうしたいかという結論もやっぱりまだ出そうにない。
 ついでに、私はうっかり実家の親に早く結婚しろと圧力を掛けられていることを、三井さんに暴露してしまっている。そんな重たい女、相手にしたいと思うわけがない。
 だからもう、無理矢理に結論を出してしまうしかない。この気持ちが勝手に風化していくのを待つことにする、と。
 三井さんだって、ビルのエントランスで急に癇癪を起こすヒステリックな女と今後も関わりを持ちたいだなんて思わないだろう。業務的に関わる必要性が出てきたとしても、わざわざ私の方を選ぶなんてことも無いだろうし、何かあればサチ子さんにお願いしてしまえばいい。
 この間のことが無くたって、梅ちゃんに指摘されなくたって、遅かれ早かれこの気持ちに気付く時は来ていた筈だ。三井さんの素敵なところを知れば知るほど、後戻り出来なくなってしまうことはなんとなく予想出来ていた。同じ部署とかフロアじゃなくて本当に良かったと思う。
 後ろめたいことなど何ひとつなく出会い、そのまま三井さんの事を好きになっていたら、きっと私は自然にあの人の隣に並ぶ自分のことを想像したり、素直にそうなりたいと望むことが出来たのかもしれない。
 軽率で、かわいげがなくて、意地っ張りで素直じゃない自分。私が三井さんの立場だったなら、そんな女のことを好きになったり、ましてや彼女にしたいとか傍にいて欲しいなんて思うわけがない。
 そんな雑念に支配されればされる程、崩さないといけない業務は積み重なっていく。この気持ちを自覚してもしなくても、自分で自分の業務妨害をしているのには変わりがなくて、自嘲気味にため息を吐いてしまう。思春期真っ盛りの中学生とか高校生じゃないんだから、と自分で自分を諌めつつ、なんとか今日中にこなしたいタスクへと意識を向ける。
 データをまとめるのもプレゼン資料を作るのも、悉く当初の予定よりも遅延してしまっている。考えてもどうしようもないことでいつまでも頭を悩ませているよりも、今は目の前に積まれている仕事に集中しよう。
 一心不乱に仕事を崩していても、ひと区切りつくたびに三井さんのことを考えているどうしようもない自分。そんなことを繰り返していたら、いつの間にかすっかり時間が過ぎてしまっていた。繁忙期なのも相まって、最近はいつもこんな感じだ。
 外の雰囲気を察するに、総務部の面々もほとんどが退社してしまった様子である。執務室を覗きに来たサチ子さんが「名前ちゃん、根詰め過ぎずにね」と心配そうな視線をこちらに向けながら退勤していったのは、もう何時間前になるのだろう。さっさと片付けよう、と気分を変える為に首を回し、小さく欠伸をしながら座ったまま伸びをする。
 コンコン、と執務室のドアがノックされたのはそんな時だった。もう二十一時を回りそうなこの時間に何だろう、と思いながら「はぁい」と気が抜けきって間延びした声で返事をしてしまった。椅子から立ち上がると、私が辿り着くよりも先にドアが開かれた。

「あ、やっぱりまだ残ってたんだ」

 うわ、と声を出してしまいそうになるのを、寸でのところで抑えることが出来た。何でこのタイミングでこの人が、と思わず引き攣りそうになるのを必死に堪え、なんとか笑みを取り繕って「お疲れ様です」と精一杯落ち着いているフリをして声を発する。
 現れたその人は、押し付けがましい剥き出しの好意をあからさまに向けてくるあの男性社員だった。目の前のこの人とは、この間三井さんが間に入ってくれた時以来顔を合わせていなかった。そこそこ期間も空いていたし、てっきりもう諦めてくれたものだと思っていたのに。

「あの……ごめんなさい、今日は私、もう帰るところで、なので」

 何かご相談があるようでしたら明日以降にして頂きたいのですが、と微塵も無い申し訳ない気持ちを何とか無理矢理に繕って、言葉に込めながら続ける。
 すると、その人はいつもの人懐こそうな笑顔、もとい私には不気味にしか思えないその表情を顔面に貼り付けたまま、後ろ手でドアを閉めてしまった。ドアが閉まる音と、私が一歩後ずさりをしたのはほぼ同時だったと思う。その時に感じた悪寒は、どうやら残念なことに当たってしまっていたらしい。
 これは逃げなきゃいけない雰囲気だ、と思った次の瞬間には肩と、そして片方の手首をホールドするみたいにガッチリと掴まれてしまっていた。

「うん、でもちょっと話したいだけなんだ」

 すぐ終わるからさ。まるでなだめるかのような声の響きに恐怖を覚え、思わずゴクリと息を飲んでしまう。傍から聞いていれば優しげに聞こえるであろうその声音でも、私にとっては恐ろしいものにしか感じられない。両手を拘束され、距離を詰められる。振り解こうと試みても、それが無駄な抵抗である事はすぐにわかった。
 どう考えてもただ話をしに来た人の態度じゃないんですけど、と声を荒げたくても、情けないことに恐怖心が優ってしまい、喉の奥が震えてしまう。

「苗字さんさ、オレの気持ち気付いてるよね? あんまり避けられると傷つくよ」

 そんな気がないから避けてるってことにさっさと気付いてください、とハッキリ言ってしまえたらどんなに楽だろう。悲しいことに逃げ道も見えず、勝ち目も全く無いこの状況で、それを口にする勇気が私には無かった。

「ちょっと、あの、痛いので離してください……!」

 相手を刺激しない程度に精一杯の抵抗をすべく後ずさる。それが間違いだったと気付いた頃には、私は背中からソファーに倒れ込んでしまっていた。やってしまった、後ろにソファーがあることをすっかり失念してしまっていたのだ。
 自分でより危ない状況を作ってしまったことを察すると、目の前にいるその人の不気味に歪んだ口角が視界に映る。背中をゾクリと悪寒が駆け抜けた。

「……っ、どいてください」
「どいたら苗字さん、逃げちゃうよね? いっつも上手いこと躱されちゃってるし」

 この状況は間違いなく、うっかりソファーにぶつかって倒れ込んでしまった私の失態である。それがなかったら、なんとか隙を見て逃げることが出来ていたかもしれないのに。相も変わらずいつもの薄っぺらい表情を浮かべながら、パーソナルスペースなど一切無視したその人は子どもを嗜めるかのようにゆっくりと言葉を続ける。

「とりあえず、お試しって感じでいいから付き合ってみない? オレ、すごい優しいよ。苗字さんのことめちゃくちゃ大事にするし」

 こんな強引な手に出る男が、どの口でそんなセリフを吐いているのか。己の顔が引き攣っていくのを感じながら、今まで以上に感じる嫌悪感によって掴まれた肩と腕に鳥肌が立つ。

「もう、いい加減にして!」

 掴まれていない左手を渾身の力で振りかぶってみたけれど、悲しいほど容易に躱され、阻止されてしまう。私の視界にあるのは、目の前にいる男のニヤけた不愉快な表情、それと執務室の天井だけ。グダグダ残業なんかしてないで、さっさと積み上げた仕事をこなしてしまっていたらよかったんだ。こんな時間まで残らず、明日に回そうと割り切っていたら、この男と二人きりになってしまったこの状況を避けられていたに違いないのに。もう逃げられないことを悟り、諦めきった私の頭の中は何故だか急に冷静になっていく。
 この男に触れられているのはこんなにも気持ちが悪くて不愉快なのに、三井さんが触れてくれた時は嫌だなんて微塵も感じなかった。寧ろ嬉しくなってしまった程で、もうとっくに三井さんのことを好きになっちゃってたんだな、とこんな状況で呑気な思考を巡らせる。
 なにひとつ抵抗出来ない非力さがもどかしくて悔しい。恐怖よりも自分の情けなさにじわりと目の奥が熱くなるのを感じたけれど、なんとかそれを堪える。

「おい、そのぐらいにしとけよ」

 その声が聞こえた瞬間、まるで頭を鈍器でぶん殴られたかのような衝撃を覚えた。だって、それは私が頭の中で無意識に「助けて」と呼び掛けていた彼の声に違いなかったのだから。信じられない気持ちで開けられた扉の向こう側に視線を向けると、そこに立っていたのは間違いなく三井さんその人だった。
 どうしてここにとか、なんでこんな時間にとか、脳内が一気にクエスチョンマークで埋め尽くされ、大渋滞を起こす。

「みついさん……? なんで……?」

 咄嗟に口から飛び出してきたその声は、か細く震えていて私の声ではないみたいだった。眉を顰め目を細めながらその視線を私の上にいるその人に移した三井さんは「どけよ、どう見ても嫌がってんだろうが」と今までに聞いた事のない威圧感の篭った低い声で言った。

「……またアンタか。ちょっと話してるだけだろ、部外者は引っ込んでろよ」

 三井さんに向かって小刻みに首を振って見せると、彼は「わかってる」とでも言うように、こくんとひとつ頷いた。

「話してるって感じじゃねーな。つーかわかってんのか? ここ、会社だぞ」

 まだ状況は何ひとつ好転したわけじゃない。それなのに、今度は先程の悔しさと恐怖ではなく、安堵で目の奥がじわりと滲むのを感じる。

「そういうアンタこそなんなんだよ」
「オレか? ……オレぁこいつの彼氏だよ、口出しちゃ悪ぃか?」

 それは勿論、私の上にいるこの人をなんとか言いくるめるための嘘に違いなかった。三井さんが私を助けるために咄嗟に思いついただけだということも、ちゃんとわかっていた。それなのに、胸がとくんと鳴るのを抑えることが出来ない。
 それは本当なのか、とでも言いたげに私へ視線を移してきたその人を、いつの間にか近寄ってきていた三井さんが引き剥がす。そして、もうその次の瞬間には三井さんがその人を壁に押しつけてしまっていた。
 三井さんがその人に向けている表情が一体どんなものなのか、こちらから確認することは出来ない。だけど、その広い背中からは抑え切れないほどの怒りが滲んでいるように見えた。
 壁に押しつけたその人の胸ぐらを掴みながら「で、どうすんだよテメーは」と言った三井さんの声は、自分に向けられたものではないのに思わず背筋がゾクリとしてしまうほどだった。
 その人は三井さんの腕を振り払うと、もうこちらには目もくれず、背中を向けて執務室から逃げていく。その背中を見送って「助かったんだ」と思うまで、私はどれぐらい固まっていたのだろう。
 おい、と声を掛けられるまで、ソファーに倒れ込んだままぼーっとしてしまっていた。動けずにいた私の視界に入ってきたのは、ほんの少しの安堵と、そしてまだどこか怒りの感情を残したままの三井さんだった。

「どうしてここに……?」

 そう問うと、三井さんはくっきりと眉間に寄っていたシワをほんの少しだけ緩めながら「コーヒー買いに自販機のある階に行こうとしたら、たまたまアイツが上に行くエレベーターに乗るのが見えて嫌な予感がした」と話してくれた。
 いわゆる第六感というやつだろうか。それにしても、三井さんの言うその嫌な予感とやらが働いてくれていなかったら、今頃私はどうなっていたのか。想像して身震いしてしまった。

「危なかったな、大丈夫か?」
「あ、はい、ちょっと強く腕掴まれたぐらいで」

 三井さんの助けを借り、寝そべったままだった体を起こしながら「大丈夫です」と続けようとしたけれど、困ったことに腰が抜けて立てなくなってしまっているということに気づく。しかも、情けないことに小刻みに体が震えている始末である。

「うわ、やだどうしよう……」

 見る見るうちに視界が歪んで、目の前にいる三井さんの顔が見えなくなってしまった。それが自分の涙のせいだとわかった瞬間、溢れてこぼれ出した。

「あの、ごめんなさい、なんか私、思ったほど大丈夫じゃないみたいで……」

 もう逃げられないから仕方ないと、諦めてしまっていた。誰かが助けてくれるなんて思ってもいなかった。ましてやそれが、三井さんだったなんて。せっかく自分の気持ちに蓋をしようとしていたのに、こんなのもうどうにもならなくなってしまうじゃないか。
 目の前にいる三井さんの表情は、歪んでしまった視界のせいでわからなかったけれど、困ったような表情でぎこちなく微笑んでくれたような気がした。

「バカ、怖かったくせに強がってんじゃねーよ」

 三井さんの大きな手のひらが頭の上にぽん、と乗せられる。すっかり冷え切った心が急激に暖められていくような錯覚を覚える。情けなく流れていく涙を止めたいのに、その優しさのせいで余計にその勢いを増してしまう。

「……三井さん、その、ちょっとだけお願いしたいことが」
「おう、なんだ」

 今だけは甘えても許されるだろうか。らしくもなく、そんなことを考えてしまっていた。

「少しでいいから、胸貸してもらえませんか」

 多分、いやきっと、この時の私の顔は真っ赤だったに違いない。だって、耳がジンジンと痺れるぐらい熱くなってしまっていたからだ。そして、その言葉を発してしまってから気づく。なんちゅうお願いをしているんだ私は!

「あ! でも化粧付いちゃいますよね! 何言ってんだろう私、恥ずかしい……!」

 忘れてください、と付け足して、腕をぶん回す私の耳に、ほんの少し含みながら笑う三井さんの声が届く。すると、あっという間に強引に、それでもちゃんと気遣うように抱き寄せられて、思わずびくりと体を強張らせてしまう。

「ったくよ、変なことに気ィ使ってんじゃねーよ」

 抱きしめられながら頬を寄せたら、ワイシャツ越しに三井さんの胸の鼓動がとくんとくんと聞こえてきた。三井さんって体温高いんだ、とぼんやりしたままの脳みそで考える。
 彼の鼓動がほんの少しずつ早くなっていることに気がついて、私もそれに釣られてしまった。本当ならどうしようもなく恥ずかしいはずなのに、自分でも驚くほどに心が落ち着いていくのがわかる。まるで子どもでもあやすように私を抱きしめ、頭を撫でてくれている三井さん。彼は今、一体どんな気持ちなのだろう。

「苗字さん、サッパリして隙がねえ感じだけどよ、そういうかわいいところ出してったら男なんかイチコロだぞ」
「甘えるのとか、計算するのとか得意じゃないんです」

 ムッとしながら「三井さんだって知ってるくせに」と小さい声でごちるように付け足す。こういうところがかわいげないって言われちゃう原因なのはわかっているのに。この間の件と、三井さんの言葉を思い出してちょっぴり悲しくなった。

「……まあ、オレとしちゃあんまり出さねえで欲しい気もする」
「は……? それってどういう……」
「聞き流せっての」

 三井さんの手が乱暴に私の頭を撫でる。髪の毛が乱れることにほんの少しの抵抗感を覚えつつも、もう少しだけこの人の胸に甘えていたいと思ってしまう。
 こうして戯れあっている瞬間も、とんでもないほどの幸福感を感じている私は、やっぱりこの人のことをもうどうしようもないほど好きになってしまっているのだ。


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