天蘭





所謂'ピンク'と呼ばれる色の髪が嫌いだった。


日本人離れしたエメラルドグリーンの瞳が嫌いだった。


男にしては白い肌が嫌いだった。


瞳を縁取る長い睫毛が嫌いだった。



小学校の頃は女顔と散々からかわれ、
中学に上がってそれが無くなれば次は同性から『そういう対象』として見られた。

この容姿には、うんざりだった。





「…でも、霧野先輩のその綺麗な色も、全部大好きですよ!」


ピンクの髪も、エメラルドグリーンの瞳も、白い肌も長い睫毛も。
全部まとめて俺の大好きな'霧野先輩'ですよ、

天馬はそう続けた。


「……天馬がそういうなら、俺はこの容姿を好きになれるように努力する」

「霧野先輩がモテるのは、心が綺麗だからでもあること、忘れないでくださいね」



いつもの元気いっぱいな様子はどこかに隠れ、俺だけに見せる表情に俺の頬は自然に緩んだ。





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