拓蘭

「うーん…」

神童の家の広い部屋。
そこで神童と向かい合い机に問題集を広げる。

「んー?」

全く理解不能な問題を睨む。
発展問題だから、解かなくてもいいっちゃいいのだが。

「神童…わかるか?」
「え?ああ、ここは…」

神童に教えてもらった数分後には、全ての問題が解け終わった。


「さすが神童だな、助かったよ」
「…何かご褒美をくれないか?」


神童がニヤリ、という効果音が付きそうな笑みを此方に向ける。


「え…」

「そうだな、例えば霧野からキスをしてくれる、とか…あ、もちろん唇にだぞ?」


「な、なな…何言って…っ!」

「ほら早く、」


神童はソファに座って俺が動くのを待っている。
俺は顔が真っ赤になるのを感じながら、神童の唇にキスをする。



「…足りない、だから霧野、な?」



妖艶に微笑む神童を見る。

「……「な?」じゃねえよバカ野郎!」


神童の頭を叩いて俺は神童の部屋を飛び出した。

顔の熱は冷めないままで。




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