拓蘭
「うーん…」
神童の家の広い部屋。
そこで神童と向かい合い机に問題集を広げる。
「んー?」
全く理解不能な問題を睨む。
発展問題だから、解かなくてもいいっちゃいいのだが。
「神童…わかるか?」
「え?ああ、ここは…」
神童に教えてもらった数分後には、全ての問題が解け終わった。
「さすが神童だな、助かったよ」
「…何かご褒美をくれないか?」
神童がニヤリ、という効果音が付きそうな笑みを此方に向ける。
「え…」
「そうだな、例えば霧野からキスをしてくれる、とか…あ、もちろん唇にだぞ?」
「な、なな…何言って…っ!」
「ほら早く、」
神童はソファに座って俺が動くのを待っている。
俺は顔が真っ赤になるのを感じながら、神童の唇にキスをする。
「…足りない、だから霧野、な?」
妖艶に微笑む神童を見る。
「……「な?」じゃねえよバカ野郎!」
神童の頭を叩いて俺は神童の部屋を飛び出した。
顔の熱は冷めないままで。(7/16)
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