天弥見聞録 | ナノ


【閃U台詞メモ】走馬灯にも見えなくもないリィンの独白。

閃Uリィン独白メモ。

・序章
ーーあの頃。
俺はひたすらに迷い、焦り、自分自身に憤りと失望を感じていた。
それほどまでに眩しかったのだ。
Z組のみんなと、学院の仲間たち。厳しくも温かい教官や先輩たちや、実習を通じて知り合った各地の人々ーー
共に過ごした彼らとの、青く瑞々しく全てが輝いていたような日々が。
だがそれはーー 一発の銃声と共に終わりを告げた。
点された火は瞬く間に燃え広がり、途方もなく大きな”焔”へと変化する。
ささやかで、そして何物にも代えがたい、これからも続くはずだった俺たちの時間ーー
大切だった何もかもを飲み込み、すべてを灰と化してしまうかのように。
ーーその時の俺は、まだ何も知らなかったのだ。
共にある喜びも、別離の悲しみも。
誰かを愛おしく思うことも。
届くことのなかった思いと、己の無力さに苛まれながらーー
ただひたすらに燃え盛る”焔”に抗い続けていたーー


・後日譚
……今でも覚えている。
俺たちが過ごした最後の日々ーー宝石のように煌めいていた季節を。
惜しむように、愛おしむように。
そして等しく奪われるように俺たちの刻は流れ続けていた。
ーー”あの後”。
煌魔城ーー変異したバルフレイム宮は夢でも見ていたかのように元に戻った。
人々の記憶が曖昧になった事もあり、今では集団幻覚の一種として片付けようとする風潮すらあった。
それもーー”あの2人”が導いた激動の日々が原因なのかもしれない。
共和国がクロスベルを占領し、侵攻してくるのではないかという、帝国人全体に共通する危機感ーーそれを煽ることでルーファス卿は僅かな期間で貴族勢力を説き伏せ、宰相への全面協力を表明し……明くる七耀暦1205年ーー正規軍と領邦軍の総力を結集したクロスベル侵攻が行われたのである。
ガレリア要塞を消滅させたという超常兵器は既に失われておりーーわずか一日でクロスベル市は帝国軍によって無血占領された。
間髪を入れずに共和国も反応し、空挺機甲師団を投入するがーー主力戦車と機甲兵を組み合わせたルーファス総司令の戦術によってあえなく撃退されることになる。
そして俺は……
俺とヴァリマールは”あの言葉”通り、帝都解放の立役者に祭り上げられーークロスベル戦線への協力要請に従い、2月には現地入りした。
そして機甲兵部隊を率い、何度か共和国軍を撃退するうちにーーいつの間にか『灰色の騎士』という名前で呼ばれるようになっていた。
ーーそして3月中旬。
トールズ士官学院《Z組》最後の日々ーー




メモだけのつもりが想像以上にメンタル抉られるこの感じ。
やっぱ回想みたいな感じだよなあ……って。





2016/02/07 22:13

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