天弥見聞録 | ナノ


【創の軌跡・雑感】存在意義を探し求めたその果てに

※一部ふせったー等でぼやいた雑感も含む
※エンディングまでのネタバレご注意ください



本日夕方、無事クリア。感情に押し流されそうだったけど、どうにか留まって雑感を。


【ルーファス】
今回ばかりは素直に認めるべきだと思った。自分がちょろいのか、或いは、描写のされ方が上手いのか(多分どちらも該当すると言える)。

ルーファス・アルバレア。よくよく考えれば推しになる要素はかなり揃っていたキャラだったのに、どうして今までその範囲に入って来なかったのか……と思ったけど、たぶんクロウのことで精一杯だったのだ、と思う。陽霊窟で崩れ落ち、ノーマルエンドで蹲ったのが懐かしい。
今回は一旦クロウ(リィンもかな)のことに決着がついて、ようやく他のキャラに深く踏み込む余裕が出来た。それで興味を惹かれるものに視線を向けた結果、とんでもない存在が今までシナリオの裏側にいたことに(今更)気付いた感じ。遅い。というより、ここで落とされるなんて正直思いもしていなかった。
一年前の自分に「軌跡追ってたらルーファスに落とされるよ」と教えても、きっと「え……なんで? そりゃ嫌いではなかったしこういう役回りのキャラも必要だ、とは思ってたけど……」と困惑すると思う……。

Wプレイ当時、ルーファスに対して何を思っていたのかをツイログで振り返ったところ「起動者こっちだったか!」だの「おのれバックアタッカー、セドリック共々絶対ぶん殴る」だの「エル=プラド―つよい! デザインかわいい!!」だの、あまりアテにならない簡潔なものがぽろぽろと出てきた。
ただ、二番目のような呟きはあったものの彼に対してヘイトを向けていたわけではなく、ルーファスは閃四作を通して、三分の二ほどのキャラが区分されている、特別好きでもなければ嫌いでもないという位置におさまっていた。Wの相克戦後にユーシスが思いきり一発かましてくれたのと、その前の「Z組の設立時に、理事でいられたことを誇りに思うよ」という台詞があったから、なのかな。
作中での立ち位置はヒール役寄りではあるけど、自分の探し求めているものの為に、独りで長い道を歩き続けてきたルーファス。でも内面や心情はあまり深くは語られず(黒キ星杯や、幻想要塞のがあったものの)、自分の中では「もう少し心情が知りたかった人」のひとりだった。黄昏の果てに亡くなったオズボーンの代わりとして大戦の責任を背負い、鉄血の子供達筆頭として逮捕され、もう出番はないのかな……と、Wの結末を見た後は思っていた。

それで迎えて、走り切った創。
好きになるしかなかった(※ものすごくシンプルにまとめた結論)。

隠者、ルーファスなのではないか? と正体判明前に薄々感じていたので(オーブメント属性やクラフトやモーションが隠す気ゼロだし、そもそもボイチェンかかってても息遣いがどう聞いても平川さん……)、仮面が割れても「やっぱりか!!?」という気持ちにしかならなかった、んだけども。
「えっ、髪切ったのずるくない? めちゃめちゃ似合ってるんですが?」とか「今までNPCだったキャラを操作できるの楽しい」とか「主人公になるなんてなあ……」とか、色々思うことはあったけど、その後のラピスとの諸々で完全に落とされてしまった。意地ははらない。私の負けです(?)。

少し前にふせったーでも触れたけど、アルゴー号内で《C》がルーファスという名前を持っている人間だと知った時のラピスの「ルーファスってなに?」という恐ろしいほどにシンプルで無垢な質問が、ずっと彼が抱いてきた自問への答えに繋がるもので、それを経て、ローゼンベルク人形工房で「君がラピスだ」と、彼が彼女の手を掴んだという流れがどうしようもなく、ツボ。
ラピスを見付けられたのは発信機を付けていたからと言っていたし、ルーファスの用意がいい性格を思うと嘘ではないのだろうけど、そのイベント後に切り替わる戦闘勝利時の掛け合いで「君の本質を知った。ただそれだけのことさ」と言っているので、あの「見つけた」にはそういう意味も含まれている、のだと勝手に捉えた。
自分を探していた男が、自分を見失いかけた少女の手を引いた。好きすぎる。ツイッターでも呟いたけど、本当に、彼とラピスは「計算の答えが運命だった」と思ってしまう。おにロリに弱い人間をオーバーキルしないでほしい。

ゾア=ギルスティン撃破後。イシュメルガの最期の足掻きで、照準を定める基準を人の憎悪に委ね、大陸各地に裁きを下そうとする逆しまのバベル(天の雷)がもはや誰にも止められないとなった場面。
ラストチャプターのクロスベル巡りの時から薄々感じていた「ルーファスは死に場所を探しているのではないか」というそれは、バベル攻略中に確信に近くなっていたけど、一旦外へ出るべく展開された転移の陣が発動する寸前に一歩下がったのを見て「やっぱりか……!!」と言葉を失うことに。
バベル、及びそこにいる自分に人々の憎悪が向くようにして、天の雷の標的にすればいい。そう思ったのか「冷徹な独裁者」を演じて世界中へ放送をするルーファス。ロイドやリィンにはできず、彼にしかできないこととはいえ、天の雷が落ちればもちろん死は避けられない。その末、一度バベルにそれが落ちるところを、エリュシオンの最後の予測として見たリィン達。ラピスが「ルーファスを助けて!」と懇願して、ロイドがそれを要請として引き受ける流れが良い。
「…………もうすぐ、か。……フフ……可笑しなものだ。結局“父”を越えられず、何事をも成せず…………最後まで空虚な人生だったというのに……」
「……ああ……悪い気分では、ない…………」
放送を終えて、中枢で天の雷が落ちるのを静かに待つルーファスが、床に座っていたのがなんか好き。穏やかな様子なのが逆につらい。最後にこれだけでも成せれば、という想いだったのか。
ルーファスのもとへ辿り着いたロイドの「貴方を強制連行する。最後の最後で、貴方自身が紡いできた“絆”を甘く見た容疑で」という台詞、そのクサさが良いなとも思えた。早く連れて出たほうがいいんじゃ、というツッコミは置いといて。(零碧これからなんだけど、彼はこういうことがさらっと言えてしまう人……という認識で大丈夫なんだろうか……)
今にも泣きそうなラピスと、ルーファスの驚いたような顔が記憶に強く残ってる。マインツでのAボイスが完全にフラグだったのだな、と、今では思う(人々の絆を前にして、私には無縁のものだな、とモノローグで零していたやつ)。
その後、病室で目覚めた彼に、オリビエが「新総統は、天の雷の誤作動でバベルもろとも消滅した。それは世界中の人々が目撃した事実だ」「ならばここにいるのは、はてさて誰なんだろうねぇ?」と問いかけたのが上手いなぁ、と。ラピスの「ルーファスってなに?」からの、これ。深く考えすぎだと分かってはいるけどそう思ってしまう。
死んだとされ、身分も、帰る家も、名前も失ったルーファス。そんな彼をラピスが旅に誘ったのがほっこりした。もう帝国には戻れないけど、それもある意味、贖罪の旅となるんだろうか。

誰にも頼らず、ひとりで歩み続けてきた彼が、今まで見付けることの出来なかった探し物が手元にあったことに最後に気が付く物語。なんだかそんな印象だった。
「四大名門、アルバレア家」「士官学院の常任理事」「鉄血の子供たち筆頭」「クロスベル総督」「金の騎神の起動者」「新生帝国解放戦線の《C》」……己の存在意義を求める中で得てきたものすべてに伴う「自分」という存在に対するアイデンティティを、ルーファスは創を経てようやく掴み取ることができたのだなと思うと、(ここについては)良かったな、と素直に感じられる。

【すーなー】
Wで作中小説読んだ後から「これは陥落案件では??」と思ってはいたけど予想通り。ゆるいナーディアと真面目苦労人気質のスウィン、だけど互いに相手を守ろうとしている。二人ならどこまでも、という感じが愛しい。「どこまでも一緒だよっ、すーちゃん!」……いつか穏やかな暮らしができることを祈る。
なーちゃん達にも印税よこせぇー! に笑ったり、ラピス含めて振り回されるスウィンの胃を心配したり、ラスダン突入時に分断されいつものゆるさが一転して不安そうなナーディアと、そばにいられないことをもどかしく感じるスウィンに「早く会わせてやるからな……!!」となったり。Cラピもそうだけど、再会して真っ先に抱き着きにいくの可愛すぎる。
ロイドの台詞からおそらく十四歳あたりと推測されているけど、ナーディアの年齢で一人称が自分の名前の一部+ちゃん付けなの珍しいな、と個人的には思った。でも《庭園》での地獄のような日々の中で自分を見失わないためにずっと自分をそう呼んでいたのかな……とか、考えてしまう。幸せになってくれ。
ピクニック隊、エンディング後は帝国の外へ。正直一作だけではもったいない。またどこかで会えたらいいな。
ただ、3と9を読んでいることが前提になっているからか、《庭園》のこと、逃亡する時のあれそれやエンペラーの描写がゲーム中でほぼなかった(エンペラーは敵としては出てきたけど)のが惜しかった。敢えて語るような性格ではない、と分かってはいるけども。

【クロウ】
黒歴史衣装と仮面。ヒンメル霊園でのルーファスとの会話はちょっと笑ってしまったけど、帝国解放戦線のことを思うと微妙に笑えない。《C》及び帝国解放戦線の名をルーファスが借りたことに関しては、(Z組引っ張り出すためにより確実な方法を選んだのだろうし)理解はできるけど百パーセント肯定はしきれない、という心情ではあったものの、終盤でクロウの「アンタも《C》として動いて得られたものがあるみたいだな?」って感じの台詞を見て、自分の中での議論は一旦やめた。そういうこと言っちゃうクロウ・アームブラスト、推し。
前作で諸々ひとまず解決したのもあって出番は控えめだったけど、だいたい美味しいところを持っていく男。霊園で出てくるだろうとは思っていたから声が聞こえてガッツポーズ……したものの、結局PTにはその時しか入らなかったので、しばらく連れ回せずもどかしさを感じることに。ありがとう夢幻回廊。
NE後、ミリアムと共に、リィンに最後まで付き合えなかったことを知って複雑そうなのがまた(自分にはそう見えた)……無数に枝分かれする因果、NEの結末は創で語られたものだけではないと思ってはいるけど、イシュメルガの侵食に苦しむリィンを残して消えてしまうと分かった時のクロウ(とミリアム)の心情を思うとあまりにもやるせない……。NEリィンと最後に少し会話して欲しかったけど、それはそれでつらいかな。
ゾア=ギルスティン戦前、オルディーネの声が聞こえて力を貸してくれると分かった時の様子が印象強い。長年の付き合い、また会えて嬉しかったのだろうな、と。戦いの後、別れも告げずにいなくなってしまったことを惜しんでいたけど、そんなクロウのことも、オルディーネは見守っているんだろうな……。騎神と起動者の関係も好き。

夢幻回廊では、必殺特化で元気にクリティカル出しまくってもらってる。編成から絶対に外せない。ヴァリアント・アタックの「突き進もうぜ!」が良い。

【オーレリア】
かっこよすぎませんか?(一番言いたいこと)
ファルコムショップ特典でぶん殴られてゲーム開始前からHPをゼロにされていたけど、作中でもいい感じで出番をもらえて一安心。見ると安心する後ろ姿。Wで突然変わってしまった、アーケディアの模様がイラスト通りに修正されなかったのが唯一の惜しい点。というか学生時代、ツインテだったとは……ツインテ人口多くない? 気のせい?
ノルドの集落が隠されていた列車砲に狙われて緊迫する中、真っ先に動き出して「今は最善を尽くすがいい!」といった感じの台詞を言うの、最高に好き。馬に乗り忘れてしまったんだけど乗れたのかな……? 周回時に試す。
あと忘れてはならないのが、バベルからアルセイユUへ発射された極太ビームをウォレス、ヴァンダイク、マテウス、ヴィクターと共に弾くところ。ローゼリア達のブースト(エンチャント)があったとはいえ、人間が受け止めて消滅させられるものではないような……。少し押されるけど踏ん張って、五人で弾くの格好良すぎて、ありがとうございます(立川方面に向かって感謝)
夢幻回廊で存分に連れ回すぞー! と楽しみにしていたのに封印石からのランダム加入と知って机叩きかけたけど……強い云々以前に推しが早く合流してほしいのでリセマラしてお呼びした(申し訳ない)。おかげでモチベーションが超高い。アプデで階層増えるっぽいし宜しくお願いします分校長。

【ヴァリマール、オルディーネ、エル=プラドー】
ラストに騎神戦がある、ということだけは事前に知っていた。でもああ来るとは思わなかったので、彼らが来てくれた時の私のテンションおかしかった(家は無人なのをいいことに蹲った)。ロボットに弱いので騎神も好みで、鑑賞できるモードとか、コクピット目線で騎神戦やるモードが欲しかったと未だに思う。
Tから登場しているヴァリマールとオルディーネに対して、Wから登場とやや出番遅めのエル=プラドー。Wではルーファスを起動者として認め、リィン達の前に彼と共に立ち塞がるも、出番も台詞もそこまで多くはなかったのでどういう騎神なのか分からないままだった。
インタビュー曰く、永遠の象徴である金の名を持つエル=プラドーは「偽りのない本物の自分を取り戻したい、ゆえに、永遠を求めた彼の気概や貪欲さを認めた(要約)」とのこと。
『そなたが“変わった”ということを示すときであろう……!』
ちゃっかり確保されていた上にこれまたちゃっかり金色に塗装されていた(何故わざわざ塗った?w)ルーファスの駆る魔煌機兵(だっけ)に宿り、彼に語りかけたエル=プラドーのこの台詞がめちゃくちゃ好き。
ルーファスとエル=プラドーの間にも、リィン達のように相棒とまではいかないものの、互いに唯一の存在として思うところがあったのではないか……とも思える。そう長い付き合いではなかったエル=プラドーから見ても、ルーファスは変わった、のだろうなぁ。

ラスボス戦後、いつの間にかいなくなってしまっていたヴァリマール達の反応がティルフィングのログにも残っていないことを、リィンとクロウが確認して僅かに寂しさを感じるシーン。
「――きっと大丈夫だ。この先何が起きても、みんなとなら。お前もそう思うだろう、相棒?」
すると、騎神達の存在を証明するものは何も残っていないモニターに文字が。
『YES REAN』
……ここ一番泣きそうだった。こういうの弱いので勘弁して欲しい。応。ヴァリマール……。



悪役としてイシュメルガを便利に使いすぎでは、と感じたり、Wノーマルエンドを否定するような描写には「それでいいのか……?」と少々疑問を覚えたり、海上要塞が無人であったり(NPCに死んでくれというわけでは当然ない、けど)、警備がさすがにがばがばすぎではないか、と思ったりもしてしまったけど、割合で言うと面白かったし楽しめた。
アプデ来たらがっつりやり込みたい。火力が強い推し達を操作できるのは、おそらく最後になると思うから……。





2020/09/11 21:32

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