天弥見聞録 | ナノ


新刊のオマケにする予定だったもの。


昨日、新刊(イース本)の予約が受付始まっておりました。
ポチってくださった皆さま、ありがとうございます。とらさんからは入荷に少し時間がかかるかもしれない、と返答いただいているのですが、週末〜来週あたりにはお届けできるといいな……と思っております。

今回ブログを動かしたのは、本当はオマケで付属させようと思っていたペーパー(という名の設定メモやら何やら)の文章を置いておこうと思い……一部はマリウス本の巻末に吸収しましたが、人物メモ欄はどこにもないので、とりあえずここに置いておくことにしました。今後紙にする予定もないので。
小説ではないですが、アドルの日誌にこんな風に彼らのことが書かれていたらいいな、という妄想文です。現皇帝さんについては特に捏造しかないのでご注意ください。

※新刊の内容に触れている部分は一応反転してあるので、ドラッグしていただければ文章が出てくると思います。

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これらは、冒険家アドル・クリスティンが
手記を執筆する際に活用した手稿、
とされているものの複製である。
尚、原本の保存状態の都合上、
解読が不可能だった部分は「●」で記載している。


【ロムン帝国とアルタゴ公国の停戦】
現皇帝、マルクス・クラウディア・ガルマニクスが戴冠後、両国の間で長く続いていた紛争は●●年に終わりを迎える。
皇帝マルクスはカイマール公王と何度か文書を交わしたのち、調印式を執り行い、停戦協定を締結。多くの血が流れた戦争が終わる事となった。同行したのは共にごく一部の護衛と宰相のみだったが、普段以上に厳重な警備のもとで行われた。
停戦後しばらくは緊張感が漂い、対抗意識は完全にはなくならなかったようだが、互いの国家が良い意味で影響し合えるようになるまでに、そう長い時間はかからなかったという。


【ディザス・テュルフ】
ラルヴァの一種。積もった恨みを宿しており、標的に対して、同等かそれ以上の痛みを与えようと行動しているように思われる。円状の身体の中に人の魂も捕えているのか、時折、呻き声のようなものが聞こえる。
何か所かで遭遇したが、古バルドゥーク要塞に向かう途中で襲いかかってきた個体はどこか違っていた。
こちらが最後の一撃を加える際、ラルヴァの内側からも切り裂くような光が見えたが、あれは一体何だったのだろうか……?


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※以下、冒険日誌の人物メモ風


マルクス・クラウディア・ガルマニクス(●●歳)
【第●●代ロムン皇帝】
ロムン帝国の現皇帝。●●歳の時に戴冠し、各地の視察を開始、バルドゥークも訪れている。
視察を経てアルタゴとの停戦を決意し、カイマール公王と調印式を行ったのち、停戦協定を締結させた。
人物メモ
(1).【若き皇帝】
洞察力・行動力があり、立場故の厳しさと、国の事を想う実直かつ温和な性分を持ち合わせている。先代にもその部分が評価され、若いながらも次代の皇帝として選ばれた。
(2).【市井でしか見られないもの】
戴冠前から時折、街中に出て人々の生活や様子を見て回っている事があったようだが、皇帝となった後も公務の合間にこっそりと出掛けているらしい。
……“彼”の人懐っこさは、おそらく本来のものだったのだろう。
(3).【もうひとりの“僕”】
リンドハイム枢機卿からバルドゥークで起こった一連の出来事について報告を受けており、“マリウス”の事も知っていた。
「君と彼の大切な約束を、その答えを、決して無駄にはしない」――そう告げたマルクスは、力強く頷いた。

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アトラ・ノクス・フィリウス
【夜から生まれし黒き者】
グリムワルドの夜の管理者として、ゾラの手によって造り出される。今までに出会った神に等しい者達の魂を一つに錬成し、叡智の集合体、神すらも超えるものとして生まれ落ちた。
人物メモ
(1).【合理的な選択】
ラルヴァを殲滅し、グリムワルドの夜を管理する。その役目を果たすべく目覚めるが、アトラがその方法として選んだのは、夜を生み出すバルドゥーク自体を滅ぼす事――そして、不用と判断した怪人達の始末だった。
(2).【自我の崩壊】
戦いの末、アトラを構成していた魂の繋がりが揺らぎ、彼の自我がなくなる。その果てに生まれたのは、魂魄の監獄塔とも言えるような存在だった。
(3).【何者でもない自分】
ドラウプニルの卵破壊後、アトラの力の残滓と言葉を交わした。魂魄の集合体として生まれ、不用とされた自分は何者でもない空虚な存在だ、と淡々と語る彼は、最後に“人間は何故生きようとするのか”と問い、静かに消えていった。

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以下の三項目に関しては、『バルドゥークの檻』とは
直接は関係のない内容となっており、
アドルがバルドゥークより前に訪れた地での
重要な出来事に関する手稿の複製、その一部である。
手記『セルセタの樹海』及び『アルタゴの五大竜』を
未読の場合は閲覧にご注意いただきたい。

※これらの手記を元にした作品、
『イース セルセタの樹海』『イースSEVEN』についての重要な事柄が含まれる。

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エルディール(??歳)
【人々を導く有翼人】
セルセタの樹海の奥に存在する地にて、世界の設計図とも言える“生命の書”を用いて人に知恵を与え、調和を齎してきた有翼人の生き残り。
穏やかで温厚な人物だが、つい書物などを散らかしてしまう一面も。
人物メモ
(1).【空を翔る】
白い鳥のようなものを空へ向けて飛ばした彼は、「人はいつか、空を翔ることになる予定です」と言う。
まだこの世界には存在していないというそれは、どれほど先の未来で創り出されるものなのか……知っているのは、彼のみである。
(2).【叡智】
招待された彼の住まう場所には、これから発明されるものの設計図などが数多く存在している。
世界の調和を保つ為、使命として知恵を授け続けてきたエルディールだが、時々思うところがあるような表情を覗かせている。
(3).【黒き翼】
長い年月を経て、エルディールの中に積もった暗い想念は、やがて別の人格となって表に出てしまう。
それによってかつてセルセタの王国を滅ぼしてしまったが、破壊の果てに試練を与え、創造を導くその人格もまた自分自身であり、“人を愛しているからこそ”生まれたものなのだという。
(4).【冒険家】
戦いの末、太陽の仮面は消失し、生命の書は活動を停止する。役割を終えた彼が選んだのは、魂の昇華――永い眠りだった。
“冒険家”の名を授けてくれたエルディール。人間という存在に未来を託した有翼の守り人は、静かに世界から去っていった。

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ティア(18歳)
【ハーブ売りの娘】
アルタゴ市にて、義理の妹であるマヤと共にハーブや花を売って生計を立てている、旧市街出身の女性。
離れた他の里へも竜車を利用して薬を届けており、各所から頼りにされている。
人物メモ
(1).【介抱】
祠で気を失った後、ドギ曰く彼女が突然現れ、介抱してくれたそうだ。
ハーブの効能などに詳しく、それらをただ売るだけではなく、薬師としても活動しているという。
(2).【血が繋がっていなくとも】
イスカ熱を発症してしまったマヤ。症状を抑える薬に必要な材料の為、ティアは一人で魔物が徘徊する場所へ入ろうとする。
大切な家族であるマヤを想う彼女の気持ちを汲み、共に地下水道の探索へ向かう事となった。
(3).【ティアルナとしての使命】
姿を消したと思われていた月の民、その長――それがティアの本当の姿だという。彼女に受け継がれた使命、それはアルタゴの地に終焉を齎し、新たな創造を導く事だった。
今苦しんでいる命も、魂が廻る事によって救われる。不治のイスカ熱にかかったマヤの事を想い、彼女は終焉の巫女として、儀式を早める決断をした。
(4).【笑顔と共に】
顕現した太古の理・ルル=エンデを打ち破った結果、理と繋がる存在故か、ティアも消滅を迎える事となってしまう。だが、アルタゴの地に“人の可能性”を見出す事が出来て良かった、と言う。
マヤと会う事が叶い、「いつまでも笑っていて」という願いを告げたティアは、笑顔を浮かべて光と共に消えていった……。

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サイアス(29歳)
【竜騎士団の千竜長】
“アルタゴの鷹”の異名を持つ、公国擁する竜騎士団所属の騎士。多くの部下に慕われ、面倒見の良い性格から市民にも信頼されている。
人物メモ
(1).【馴染み】
ティアと同じく旧市街の出身であり、彼女とは馴染みであると話してくれた。
街を巡回する間に、時折、旧市街へ立ち寄っているそうだ。
(2).【手渡された薬】
闘技場での処刑の儀直前、彼はこっそりとナドリの薬を渡してきた。
「ここで屍をさらせば罪は真実になる」「それが不本意ならば抗ってみるがいい」……どうやら、公王暗殺の犯人は別に居ると信じてくれているようだ。
(3).【裏切りの千竜長】
瘴気が満ちたアルタゴ市内に魔物が侵入し、公宮では竜騎士達や宰相が次々と襲撃・刺殺される事件が起きる。仕掛けたのは信じ難い事にサイアス千竜長だった。
公王を暗殺したのは彼で、月の民の長・ティアルナに仕える身のようだが……。
(4).【守ってやりたかったもの】
イスカの長を守る者、双極の騎士としての彼と剣を交えた。戦いの末、膝をついた彼の姿は、魂の井戸の底に導かれるように消え始める。
ティアとマヤの穏やかで優しい時間を、できるものなら守ってやりたかった――最期に零したその言葉は、偽りのない、本当の想いだったのだろう。




2020/08/16 14:56

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