07

 仁さんの手が、下から伸びてきて胸を掴んだ。そのままやわやわと揉みしだかれて、体の力が抜けてしまう。そのまま、体中を撫でられて、太腿に手が伸びる。

「ま、待って、ママが」
「美麗が、声を出さなきゃ平気だよ」
「そん、なぁ」

 ぐっと膝裏に手を入れられて足を開かされる。そのまま、片手で左足を持ち上げられて、その付け根に指が置かれた。
 漏れそうになる声を、必死で手で口を押さえて耐える。それを笑うように仁さんの手は本気の体を増す。

「やだ、仁さん」
「いつも口だけは抵抗するよね」

 おかしそうに喉の奥で笑いながら、仁さんの指が私を追い詰める。がくがくと体が震えて、変になりそうなくらいの快感が背筋を走っていく。断続的にぴくぴくと動く背中を見て、仁さんが首筋に口づけた。

「さすがに、入れるのはどうかなって思うし」
「じん、さん」
「今日は、血だけもらっとく」

 いつもと同じ場所に、背後から歯を立てられた。今、仁さんの瞳が、私の血を欲して赤いんだって想像しただけで、きゅんと疼く。その拍子に、仁さんの指を締めつけた。
 じゅ、と吸われていく、身体の一部を奪われているその感覚が、怖いのか気持ちいいのか分からなくて、強く目をつぶった。

「ん、んー!」

 絶頂に達した身体が、中に入っている指を押し出そうと暴れる。仁さんは、それを許さずさらに内壁を擦り上げてきて、強すぎる快感にわけが分からなくなってしまう。
 ようやく、仁さんが口を首筋から離すのと同時に、指が抜かれた。私は全力疾走したあとのように荒い呼吸で、仁さんの腕にしがみつく。
 最後にするりと撫でて、仁さんの指がそこから離れていく。同時に、首筋からも唇が離れていく。舌がぺろっと傷口を舐めた。それにすら、震える。

「美麗」
「ん、は」
「ごちそうさま」
「……んっ」

 身体が燃えるように熱い。首筋から、全身に毒が回ったかのようだ。覆いかぶさっていた仁さんが、離れていく。

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