きみの虜(おまけのもしも)


 

おまけのもしもの話です。
お風呂で金堂くんが道田さんにおっきしてるのを見られて、本気出しちゃっていたらの話。※少しぞわっとします…。


****


「こうやって、肌と肌で触れ合いながら洗って貰えたら嬉しいな。」

そう言ってスポンジを取られてどこかに投げられてしまった。
頬に泡をつけながら唖然としている俺に、どこか興奮したように早く、と耳打ちしてくる金堂くん。

「ぁ…」

金堂くんの眼から少し視線をずらすと見えてしまったそれ。
さっきので十分大きかったそれは腫れ上がって、別の生き物みたいに見えた。

「見ちゃいました?
早く洗ってあげて下さいよ」

「え…、そんなの…」

もしかして、澪くんは金堂くんにこういう事やらされてるの…?
俺が寝てる間とか?…こんな事?

「み、澪くんにはやらない?」

「……道田さんがやってくれるならね。」

「…わ、わかった…」

俺がそう言うと、金堂くんは自分でシャワーヘッドを持って身体を洗い始めた。
ついでに俺の頬もちょっと勢いを緩めて洗ってくれた。

「こ、ここでするの?」

「いや、ベッドに行きましょう」

そう言ってまた腕を引かれてお風呂場を出ると、バスタオルに包まれてひょいと持ち上げられた。
そのままの勢いで多分寝室へ向かう金堂くんに心臓が破裂しそうだった。

「上がったの…って、ちょっと」

「お前は来なくていい。飯も後で食うから」

「…分かった。
ヨシくん、痛い事されたら呼んでね。
直ぐに助けに行くから」

「み、澪くん…」

澪くんは痛い事されたのかな、…俺今まで気付かなかったなんて…。
もしかして怖いから澪くんはここから出られなかったのかな、俺はそんな澪くんに出たい出たいって子どもみたいにそればっかり言ってた…。

「わっ…!」

ポンと空中に投げられたかと思うとベッドに着地した。
多分ここは金堂くんの寝室だと思う。俺と澪くんは一緒の部屋だけど、金堂くんは1人だけで寝てるから…

「金堂くん、冷たいよ…」

金堂くんは俺の上に覆いかぶさるようにしてきて、拭き切っていない髪の毛からポタポタと水滴が落ちてくる。
金堂くんはザッと自分の髪をかきあげて撫で付けた。

「ぁ…あたってる…っ」

「…当ててるんですよ」

バスタオルがずれて曝け出された腹にピタリとくっつく熱いもの。
心細くなって足を閉じようとすると金堂くんの足が割って入ってきて閉じれない。

「…へそ、綺麗っすね。てか腹ももちもちしててイイ…」

少しおなかについたお肉をつままれて、そこにスリスリと少しぬるぬるしたものが擦り付けられると、ぞわぞわと背中に鳥肌がたった。
うぅ…ちょっと気持ち悪い…。

「あー…まじで暴発しそう…」

「…うう、…」

「道田さん泣かないで下さいねー…痛い事は何もしないんで」

なんか、注射前の医者みたいな話し方だ。
それはきっと俺が痛い思いをするって事、だよね…。

「本当、今日はしないって…だからちょっと、手伝って。」

「…あっ!」

手を掴まれて、熱く燃えるようなそこに手をあてがわれる。

「んー…すべすべしてるー…道田さんの手だー」

目を閉じて気持ちよさそうにそう言う金堂くんにドキドキと胸が痛くなる。

「ぁ…あ…や、…」

「はあ、まじでやばいっしょ…ソレ反則」

手のひらにそれを押し付けられて、ぬるぬると動かされた。
暫くしたら急に金堂くんの身体がビクリとして、生暖かい何かが俺の手に…。

「ぇ、…」

自分の汚れた手が目の前にかざされて、思わず金堂くんを窺い見ると金堂くんはにっこり笑った。

「濃くはないっすから大丈夫ですよ
またお風呂入りましょ」

「ぁあ、…っあ…っ!!」

ベチャ、と嫌な音がして自分の手が顔に押し付けられる。そのまま塗り込まれるみたいに手を動かされて顔じゅうに塗り込まれた。
顔がぬるぬるしてて、変な匂いがする。
人のやつなんて嗅いだこともないし、嗅ぐことなんて無かったから本当に気持ち悪い。

文句も言いたいのに、口を開いたら入って来そうで目も口も固く結んで石のように横たわっていた。

手が離されても、俺は石みたいに固まっていた。
顔が濡れた感触のままで冷たい。

「…あー…スマホあっちだった。」

失敗したー、とつぶやいている金堂くんに俺はもう何も考えられなくてただ息だけをしていた。

「ちょっと待ってて下さいねー」

金堂くんの声はとても機嫌が良さそうだけど、俺はもうそれすらどうでもよかった。
早くこれを拭いて欲しい、それだけだった。

「はい、手を拭きますね」

「…うぅ、…くさい、」

「あはは、酷いっすよ道田さん」

手を拭かれた後、顔もゴシゴシと拭いてくれて漸く目が開けられた。

「お風呂もう一回行きましょうか」

そう言って手を引く金堂くんに、何も言えずに俺はついて行く。

「今度は全身にパックしてみましょうね。」



「おかえり、早かったね。」

お風呂にもう一度入ってからリビングに着くやいなや、俺は澪くんの膝に縋り付いた。

「…何やったの」

「別に?はは」

金堂くんはずっと鼻歌を歌いながら俺の身体を丹念に磨くように洗ってくれた。
だけどやっぱりさっきの悪夢のような出来事はずっと頭に残っていて抵抗も無くされるがままだった。

「ヨシくん、大丈夫?」

「……」

俺は何も言えず澪くんの膝にスリスリと頭を寄せた。
澪くんは頭を撫でてくれるけど、やっぱりさっきの感触は消えてはくれなかった。

「あ、そうだ道田さん。
今日は俺と一緒に寝ましょうね」

そう爆弾発言をしてから、ペットボトルの水をゴクゴクと美味しそうに飲む金堂くん。
俺はまた石のような気持ちになって固まった。




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