Kitty Party

オイスターチーズを使ったおつまみのアソートをつまみながら酒は進むわ光るわで完全にほろ酔い状態。

『はぁ〜い!お魚ちゃんですヨロピクネ〜!』

「美しいわ…鱗一つ一つがサファイアとエメラルドで作られてるみたい…」

「ワオ!目の前で神話が実現されてるみたいだわ…」

『いやぁ〜照れますなぁ、私のしっぽは海底でも美しいと王国に話が来る程人気で、自慢ですわぁ〜ふへへ』

研究員の血でも騒いだのか触ってもいいかしらと恐る恐ると聞くクラルさんに『どうぞどうぞ!皮膚にしっかりと引っ付いてるから普通に触っても痛くないですよ』と言うと嬉しそうに撫でてきた。

「筋肉が締まってて淡白な感覚があるわ…」

『あ、それ博士にも言われました!スピードとパワーはそれなりに強い方だけど激流にはあまり耐えられないらしいです。』

「でも明るい色は地中海では珍しい方じゃないの?」

『先祖が確か西太平洋から流れてきた種族らしくて、アジアの温かい地域だとカラフルな魚沢山いるんです。これは遺伝ですね〜
お母さんはそのまんま緑でした。』

「…分かったわ、この色の由来…多分イブラチャー当たりかもしれないです。」

『ええっ!?ブダイ苦手なのに〜!!』

うっそ〜!自慢の色が嫌いな魚と同じなんて〜と嘆く私を横目にマリアさんは高らかと笑っていた。

「ね、ディズニーアリエルみたいに歌ってみてよ!人魚の歌声とかすごく気になるわ!」

マリアもクラルも、初めの頃は承太郎の人魚に対する露骨な好奇心の奇行に大袈裟だと思っていたが、実際神話の生き物を目にすると気になって仕方がないらしい。

それは人間が新しいものへの好奇心が旺盛な生き物だから、それが本能的に備わっているので仕方が無いのだ。
しかし歌声を聞かせるわけにはいかない。

『ごめんなさい、抗魚人遺伝子のお薬飲んでないから今歌うと二人ともプチ昏睡状態になっちゃいますよ。』

「あらそうなの?抗魚人遺伝子の薬って何?」

『魚人の方の遺伝子を一時的に抑制するお薬が政府から送られるんです。
詳しい話は省きますが、これを飲めば人間と一緒に海に行ったり、海水を浴びたりしても人魚にならないんです。』
今日は皆さんにお見せするかも知れないと考えて飲まなかったんです。

「へぇ、便利ね」

(その薬…詳しく研究したいわ…)

「失礼かもしれないけど、魚くさいイメージがあったのよ。でも逆に普通の女の子と同じでいい匂いがするのね。」

『失敬な!それは死んでる魚を放置するから菌が繁殖して臭うんです!人間だってお風呂に入らないと臭うのとおなじ!
私は70%ほどが人間な上に毎日ケアは欠かさないんです!』

「あぁなるほど」




「話変わるけど、アリエルガールのボーイフレンドのジョータローってほんとにハンサムよね…ハリウッドに出れるわあの顔は」

『昔は大分やんちゃしてたって聞いたけど…顔はいいけど博士はちょっとどこか抜けてるって言うか…残念なイケメン。
それに私はクラルさんの恋人のココさん凄いと思います!』

「え、ココさん?」

『三高揃ってて女も放っておかないだろうし…何よりクラルさんを1番に思ってる紳士な所は作品を見てきゅんきゅんしちゃう!』

映画にしたい〜!と尾鰭をビチビチ跳ねさせるとマリアさんに「うわ動いた!」と驚愕された。
クラルさんは頬を赤らめここにいない恋人を思い浮かべて恥ずかしそうに笑を零した。

「こ、ココさんは、とても自慢の夫です。私の人生で唯一間違いのない選択は何かといえばココさんのような素晴らしい男性をパートナーに選んだ事。素敵な友人に恵まれたことです。」

「ヒュ〜!言ってくれるじゃないのこのバカップル!」

『きゃーん!何これやだドキドキする!
でもクラルさん1番苦労してましたよね。ココさんの方が大分拗らせというか、毒抜きが大変だっただろうし…』

「そんなココさんをまるでふぐ毒みたいに…でもあの頃があったから私もココさんも分かり合えているんです。」

『女神かよ。あと逆にサニーさんってマリアさんの件は苦労してましたよね。』

「え、アイツが?」

急にサニーさんの話題を振られたマリアさんは驚いてチコリを食べようとした手を止めた。

『そうですよ!マリアさんにパートナーが居て、ずっと片思い拗らせるのにマリアさんが別れてもそばに居るって…見た目は男女だけどだいぶ紳士ですよね。』

おかわりしたトロピカルココナッツカクテルに付けられた3つの細いストローで再現しながら説明すると、先程まで高飛車だったマリアさんが顔を赤くしてうっ…と言葉を詰まらせた。

「サニーさんには感謝してるわ…マリアは昔から悪い男性に惹かれる性分なので、まともな引き取り手が出来て私も一安心です」

「ちょっと!私を捨て犬みたいに言わないでよ!」

『恋愛対象が鈍感だと本人にかかる負担が強いですよね〜』

「あんたが言うか」

『えっ』

その時扉がノックされボーイがアントルメの虹の実のムースとフルーツのグランドベリーを持ってきた。

「ここのレストランさっきからいいもの揃えてるわね」

『虹の実?』

「25メートルプールの水に果汁をたった一滴滴らすだけでプール全体が芳醇なジュースに変わるほど高い果汁濃度を持ち、蒸発した果汁は空気中で虹を作るといわれるフルーツです」

『糖尿病不可避』

「そんなこと言いながら食べたそうな顔してるじゃないのよ」

『もちろん!せっかくこの世界に来たならどんなグルメが出ても食べてやる〜!って意気込みですよ!だって現にめちゃくちゃ美味しいですもん。』

「さっきサファイアフォアグラ食べて泣いてたものねぇ…」

(ドドリアンボムが出ても食べるのかしらこの子…)


【かわいい女の子ちゃんに人魚の尻尾ぺたぺたしてはしゃいで欲しい】

【結】



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