承
いくらとゆずのジュレうにクリームのアミューズとベジタブルスカイの気まぐれサラダを食べ終え、お酒が進んできた頃…
『マリアさんってメイク綺麗ですね。元が良いのもあるけど…何使ってるんですか?』
「色々よ、新作や気になったものは何でも試してるわ。でもそうね…強いて言うなら安物は使いたくないって事ね。」
『あ〜、原宿で安売りされてるやつとかですよね。』
「そそっ、まぁ大体はサニーのリピやお墨付きを私も使わせてもらってるって感じだから、まず間違いはないわね。」
(それはサニーさんが惚れた女だからって特権なんじゃ…)
(今彼女が考えてること、私がずっとマリアに思ってることと多分同じね…)
「アリエルガールは何使ってるの?海にいる割に日焼けや肌荒れが全くないわね。若いからかしら?」
「そうね、地中海生まれとなるとそれこそ皮剥けが酷くなってメイク乗りが悪いってイメージがあります。」
『あ〜よく言われます、でも何というか肌質はもはや遺伝?環境が環境なんで海でも陸でも勝手に耐性が出来てるのかもしれません。
海にいた頃はメイクは全然してませんでしたよ〜最近は結構興味あります。』
「海にメイク道具ないの?」
『ありますよ、昔は辰砂鉱って石をすり潰した辰砂って粉を使ってチークやリップにしたり。
今では陸上から密(合法)輸入で防水用メイクはありました。』
「へぇ〜便利なもんね」
『今まではCHANELやGIORGIO ARMANIを使ってましたけど、最近韓国ブームで3CEや韓国パックしてます。』
「やっぱりどの世界でも女性はお洒落が好きです物ね。」
『Diorのカラーコンシーラーと3CEのミルクパック買おうとしたけど人が多くて売り切れちゃったんですよ…あれ塗って寝ると良いって聞いたのに。』
「あら私あるわよそれ」
『なぬっ』
「Diorは私も結構好きで、今つけてる香水もDiorよ」
『あ、香水の正体やっぱDiorなんだ!』
「韓国パックって性能が良い奴多いものね、まぁライフには劣るけど、ここの世界に来る時朝方韓国に立ち寄ってメイクショップに行ってきたの。」
「スイーツが美味しかったです。チーズダッカルビ?みたいな物はとても辛かったですけれど…人魚ちゃんにも実はお土産があるの。あとでホテルの冷蔵庫から取ってくるわ。」
『わわ、ありがとうございます!』
ほいこれ、とマリアさんが取り出したのは紛れもなくお目当てのミルクパックで…!
『きゃーー!それですそれ!凄い韓国にも同じの売ってたんだ!』
「2個買っちゃったから1個あげるわ。他に色んなの買ったからいいし」
『まじすか!?え、いいの!?やたー!!!』
「あんたの今何使ってるの?」
『ファンデはARMANIだけど、今日は女子会って聞いたからアナスイを使ってます。』
「それ系のが好きならうちのハートフルグループメイク使ってみない?サンプルとカタログ持ってきたの!」
『きゃぁ何これデザインガーリーで可愛い〜!』
その後もサンプルを試しあったりカタログを見つめあったり今度ライフのサロンに行こうという話がクラルの目の前で繰り広げられた。
『やばい〜!博士とはこんな会話出来ないし、学友はアナスイ派が多くてあまり話が合わなくて…もうマリアさん大好き〜!』
「やーねそんなに褒めても何も出ないわよ、今度またこっちに来なさいよ。メイクしてあげるから!」
『舌の根が乾かないうちとはこの事!』
「二人とも…」
『ふぉ?』
「どうしたのクラル?」
「今私のところでも研究中の植物から取れる色素が女性の肌に優しく綺麗な赤の発色を出せる事で、商品かも考えているのだけれど、化学物質や人口化合物も一切無しで…」
(あっ…クラルさん構って欲しかったんだ…可愛い)
(チッ、可愛すぎじゃないのよ)
このあと二人でめちゃくちゃクラルさんを構い倒しました。
【気まぐれってなんだよ真面目に作れっていつも思っちゃう】
【承】
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