Kitty Party

【ご対面】

*今回のルール*
・女子会当日まで会ってはいけない、しかし各自の作品を見ていい(メタ発言…)
・当日までメール文でのやり取りはOK
・各自の安全はSPW財団とIGO(誰だ)が保証
・男性陣立ち入り禁止(どうやって安全保障するんだ)

ルールを読み返してため息をつく。今回SPW財団から博士と私それぞれにお会いしたい人がいるからと懇願され、指定された場所はグルメタワーにある10星レストランのステーキ&グリルバーの個室プライベートダイニングルーム
グルメタウンを一望できる贅沢なロケーションとロマンチックなセッティングにうっとりと恍惚に浸ってしまう。

『ほんとこの世界食べ物ばっかだな…』

一番乗りに着いて1人で先に注文するのも気が引けるので窓からの夜景を眺めていると背後から扉が開く音がした。

『こ、こんばんは〜…あっ!』
「こんばんは…あら?」
「どうも〜、なぁにくらる、2人とも知り合いなの?」

扉を開けて現れた美女2人、ハリウッド女優が飛び込んできたのかと勘違いするくらい綺麗でおっぱい大き…げふんげふん、
とにかく1人の茶髪の美女に見覚えがあった。

『あの時の…!ボランティアの美女!』

「クラルです。お久しぶりです、ピンクイルカのお嬢さんですね」

『人魚です。いや何で分かったんですか!?』


クラルさんの手を握るとふわっと自然なジャスミンの香りがした。なんというか、余計なものを入れてないピュアな香りは淑やかな彼女によく似合っていた。
「岩陰に隠れてスマートフォンで音楽流しながらイルカさんに支持してたの見えてましたから…」

『うわあああああ恥ずかしい…!あ、ハニードラゴンの蜂蜜美味しかったです、フグ鯨は博士が「俺が捌く」とか言って捌いてくれました。』

(えっ捌いたのアレを!?IGOに頼んで捌ける人を紹介するって言ったのに捌いたの!?)

『博士の幽波紋は精密な動きができるんです』

「それだけで…美食屋に案外向いてるかもしれないわね…」

「えっ!もしかしてクラル、この子が話してた人アリエルガール!?WOW!」

『ぎゅふぅ!?』

(アリエルガール!?)

くらるさんのそばにいたミーハー美女がきらきらとした目で抱きついてきためちゃくちゃいい匂い(すんごいいい匂いがする、ブランド物のキツくない良い奴だこれ)と共に背後と顔面に圧力がかけられて息がしずらい(おっぱい大きい!!!!)

「マリア、彼女が息できないわよ」

「そんなのかんけいなーいっ!」

『お…おっぱい圧死が死因とか笑えない…』

「私マリアよ!くらるから話を聞いてすっごくすっごく会いたかったの〜!きゃほー!」

『マ、マリア(聖母)に殺される…』

「あらあら」

【女子会開演】

ミーハー美女マリアさんの熱烈な抱擁から解放され、ようやく3人とも席につく。

「先に飲みもの選びましょうか、ここは選べるコース式らしいわ。
私はクリスタルシャンパンにしましょう、マリア、人魚ちゃんは何にします?」

「アグラベーション!…と行きたいところだけどここはキューティクルブァンブランが有名なのよ!」

『キューティクルブァンブラン?』

「グラス1杯飲むだけで翌日には枝毛やダメージが全部なくなり、キューティクルが修復されて滑らかな髪ツヤを1ヶ月も保たせる白ワインよ!」

『何それめっちゃ飲みたい!』

海底にいる時や博士との観察日は気にならなかったものの、人間の姿でいることが多くなった所為か潮風にあたった時の髪のきしみというか、枝毛も増えてきたのが最近の悩みだったのでこれはまさに理想的なドリンクである。

「あらでも人魚ちゃん大丈夫なの?未成年とか…」
『私大学二年生のビッチビチの21歳です!お酒はそんな飲む機会ないですけど、飲めないことはないんです!』

「ビッチビチって…なんかくさそうね」

『あははマリアさん尾ビレすりつけたろか』

その後もクラルさんやマリアさんの博識な知恵の元メニューの解説をしながら改めてこの世界の凄さに気付かされた。

(まさか食べ物でその人の身体が変わるなんて…)

「コース…肉料理からか魚料理からか順番が選べるみたいだけれど、私は魚料理からにしようかしら。昨日ココさんとジュエルミートを食べてきたから」

(また凄いネーミングが…)

「昨日の夜家電繋がらなかった訳はあんたのダーリンだったのね。」

「もうマリアったら…それについては何度も謝ってるじゃない」

「ま、いいわよ別に。私は昨日サニーに連れ回されてサンサングラミー食べてたから私は肉から!あなたは?」

『え、あ、なんかもう二人の会話…というか料理用語が凄すぎて。それよりここお幾ら位するんですか?』

そう、私は先程からコース料理の内容よりメニューの料金がひとつも乗ってないのに悩んだ。
なんせ元の世界ではないにしろこんな豪華なタワーの最上階10つ星レストランだ。
サラダ一つだけでもどのくらいの値打ちがつくかわかったもんじゃない。慌てて引っ張り出した財布ちゃんの脳内で絶賛ご相談中である。

「そんなの一々気にしなくていいわよ、ここはコース料理は一定金額だけど、ほとんど金持ち達が来るような所だし。」

『あー…なるほど』

(つまりは金に糸目をつけないどころかその糸すら気にしないから、金額なんて見ないで頼んじゃうのね怖い怖い)

『でも私一般ピーポーなんで…あのキューティクルなワインっていくらぐらいですか?』

「うーん、たしかサニーが言ってたのだとオークションでは2本で軽く130万円超えてたかしら」

『ぶぶぶぉっほほっ!?』

「ちょっと汚くないけど汚い!大丈夫!?」

「まぁ大変!お水飲んでください」

逆な意味で破格なお値段についエラが飛び出して噎せる。だって軽く130万って…!軽くって…!なんなの!?なんでクラルさんもマリアさんもそんな冷静なの!?この2人から見た130万って《普段はおーいお茶飲んでるけど、今回は気分転換にスタバ行っちゃいましたっ》みたいな感覚なの!?

『わ、私…そんなお金な…』

「なぁーにそんな事!今回は私もクラルもあんたもIGOと…なんだっけ?財団の…」

「SPW財団よマリア」

「そうそう!それの奢りなんだからノープロブレム!遠慮しないでどんちゃん騒いでくださいとの事だから好きな物頼めばいいのよ!」

『な、なぁんだ…よかったぁ。それじゃ私は肉料理から!』

「切り替え早いわね〜」

『学生で早々こんな機会少ないですからね!』

「海洋冒険家の…承太郎さんと行ったことはないんですか?」

『前誘われたけど、アメリカのコンドミニアム貸し切ってヘリ用意しだしそうになったから却下したんです。ジョースター家の金銭感覚が狂ってるのかも知れません…』

(それは相手が貴女だから承太郎さん気合い入っちゃったのよって言いたいわ…)

「クラル、貴女そんな顔してるけど貴女のステディも同じもんよ?」

「えっ」

『それな』

「…こんな事言うのなんだけど、肉料理にしたのってやっぱアリエルガールとしてはお魚ちゃんが可哀想って思っちゃったりするの?」

「どうしましょう、私のは魚料理だわ…」

上向きのアイラッシュをしぱしぱと瞬かせながら悪戯っ子な笑みで私を見るマリアさんと、慌ててメニューを開き直すクラルさん

『いいえ、お魚バリバリ食べますよ。昨日も近くの鮮魚市場の海鮮丼食べてきました。』

「「えっ」」

『二人とも博士と同じ顔してますね。魚と言えど陸と同じで種類が違えばそれに合わせて食べれるものは食べますよ。』

(なんだか子供にぬいぐるみの中身のおっさん見せたみたいな罪悪感があるわぁ…)

「まぁシビアな話になるとそうよね…ディズニーの影響が凄すぎたってだけよね」

「人魚ちゃんは陸に出て初めに食べたのって何ですか?」

『マックとチョコサンデーと焼肉』

「夢の欠片もないわね」

『陸に出た時に絶対牛肉食ってやるって思ってたので。最高でした。』

「ここにも焼肉へるすぃ〜あるじゃん」

「今度3人で行ってみるのもいいですね」

『え、何それ。食べると痩せるんですか?』

「ここのグルメタワーにある高級焼肉店よ。そこでは肉よりベジタブルスカイで採れた野菜が美味しいの」

『うんんんんんん想像しただけでアミラーゼやばい』

「普通にヨダレっていいなさいよ」

『いやそれ言っちゃうとなんか汚い…あっマリアさん、ガーリックシュリンプありますよ』

「あんた絶対私の作品のタイトルを見て言ってるでしょ。肉一択よ。」


それから程なくしてボーイがドリンクを運んできてくれた。クラルさんのクリスタルシャンパンはその何ふさわしい輝かしさと気品があった。

「それでは、作品を超えた素晴らしき対面と」
「サイコーな女子会のスタートを記念して」
『「「乾杯〜!」」』

私とマリアさんのキューティクルブァンブランは、キューティクル苺が乗せられており効果抜群そうだ。

(マリアさんもクラルさんもお酒と絵になるなぁ…お仕事は研究員とからしいけど、どちらかといえば女優なんじゃ)

「最っ高〜!見てよ私の髪ツヤ!もう効果が出たわ!」

『またまた〜マリアさんってばそんなすぐに…うわすんごい眩しっ!』

「ワインと一緒にキューティクル苺の相性が良いから、マリアの体に取り込みやすくなってるのね。私のクリスタルシャンパンもベルガモットの香りがほのかにしていて美味しいわ。」

『クラルさん…肌ツヤぴっかぴかっすね…』

「マリア、あまり飲みすぎないでね…また二日酔い酷くなるわよ」

「しゃーらっぷ!!!もうあの頃の私じゃありませーん!」

『安酒かっくらった次の日ってきついですよね…』

(えー、これ私も飲んだら光るの?あれみたいに?いやアレって言い方悪いけど光るの?二人ともCMみたいで綺麗だけどぴっかぴか…
いや二人ともこれ以上美人になってどうするつもりなの?悩殺するの?殺すの?ボーイフレンド)

現実ではありえない出来事に、自分がピカピカになるのは生理的に嫌な気持ちと、ツヤ髪になりたい気持ちがせめぎ合い5分位ワインと見つめあってしまった。

【『お二人を見てると即視感が…あ、そうだ…』
「ねぇねぇ見てよ!今日張り切って新作のルブタンのピンヒール買ったのよ!」
「マリア、とてもお似合いですけれど足を痛めないようにね?」

(容姿は2人の方が美しいけれど、これは完全に蘭と園子だ…)】
【起】



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