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食らわば皿まで - 2



「へいお待ち」

「おお……っ!」


目の前に置かれた光り輝く大盛りガッツホルモン盛々ネギチャー味玉のりトッピンに俺は目を輝かせる。隣で並盛中華そばを食べている友人は「ひくわー」みたいな目で見ていたが、お前にはまだこの完成されたフォルムの美しさが分からないんだな、可哀想なやつめ。

割り箸を丁寧に割って、まずはレンゲでスープを頂く。あぁ、肉尽くしのこってりしたスープがたまらん。だがネギともやしのおかげで後味はさっぱりだ。うむむ、これはハマってしまうかもしれん。


「お前さ、諏訪に怒られたりしねーの? 俺と遊んでばっかじゃん?」

「諏訪? 誰です?」

「え?」

「え?」


人が大盛りガッツホルモン盛々ネギチャー味玉のりトッピンに夢中になっているというのに、平然と話しかけてきた友人にそれでも優しい俺が応えてやると、友人は持っていたコショウを中華そばの中にぶちまけていた。お前……それこそ引くわー。

コショウ塗れになった中華そばに顔をしかめた友人が、居住まいを正してこちらを見る。


「いや、お前の彼氏だろ」

「彼氏? 俺にそんな高尚な存在はいねーですよ?」

「いやいやいや、お前それはさすがに俺も同情するわー、マジないわー」


ずるずるずるー。うーん、美味い。
大盛りガッツホルモン盛々ネギチャー味玉のりトッピンに満足げな俺に、友人はまた呆れ顔でドン引きしていたが、正直今、お前に構ってやるのはごめんです。邪魔しねーでくださいマジで。

そんな俺のご飯モードに気がついたのか、友人はそれ以上口を開こうとはせず、ただ黙ってコショウ中華そばを咀嚼していた。




 


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