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食らわば皿まで - 1



もぐもぐごくん。


「きゃー! 諏訪くんこっち向いたー!」


もぐもぐもぐ、ごっくん。


「うそっ! 諏訪くんが手振り返してくれた! もうほんとに格好いい!」


ずぞぞ〜〜、ごくっごくっ……ぷはー。


「お前の彼氏、今日も人気だな」

「え? なにが?」


今しがた食べ終えた放課後飯が詰まった弁当箱の蓋をする。そんな俺の前で「こいつは……」みたいな呆れた視線をよこしやがる友人は、ティッシュを取り出し俺の顔面に投げつけた。


「口元にご飯粒つけてんじゃねぇよ、汚ねー」

「すまんです」


友人の優しさに感動しつつ、ご飯粒を漁って口に運ぶと「うわぁ……」みたいな視線をよこしやがった。食べ物を粗末にするのはダメだと祖母ちゃんに習ったぞ、俺は。


「で、今日はどこの食いもん挑戦すんの?」

「点々堂の大盛りガッツホルモン盛々ネギチャー味玉のりトッピン」

「……なんの呪文だよ、それ」


相も変わらず呆れ顔の友人にフッと微笑み、簡易味噌汁の容器をゴミ箱へ。ゴミ箱の中には俺が勝利した兵どもが夢のあと状態で満杯である。


「さ、行くぞ浜津、俺の大盛りガッツホルモン盛々ネギチャー味玉のりトッピンが待っています」

「だからなんの呪文だよ、それは」


はぁー。ため息をつく友人はそれでも立ち上がり、キャリーバックをガラガラ転がす俺の後について来た。

教室の窓には女子が集まり、外を見てキャーキャー騒いでいるが、はて、今日は一体なんの行事があったのか。まぁ俺には関係ない。それよりも早く大盛りガッツホルモン盛々ネギチャー味玉のりトッピンを迎えに行かねば。




 


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