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そのあと、俺は雄樹と仁さんの二人に手当てをしてもらい、兄たちはカシストで話し込むらしく留まったままだった。
俺はソファーに座らされ、そんな彼らの話に耳を傾けることとなる。


「で、隆二、てめぇはどう落とし前つける?」

「……抜けろっつうならそうするぜ。……俺が悪いからな」

「ふーん……おいてめぇら、どうしたい?」


兄、隆二さんの順に聞こえた声。二人とも冷静な声音ではあるが、隆二さんの声は明らかに落ちていた。
俺の隣に座る雄樹が、ぐっと拳を握る。その拳の上に、仁さんの大きな手の平が重なった。


「どうって……そんなの、追放に決まってます!」

「へぇ……追放、ねぇ」


不良たちの要望に、つまらなさそうに兄が繰り返した。
そんな態度にイラつくのか、不良たちは大袈裟な動きで兄に叫ぶ。


「だって、そうでしょう!? チームの決まりごとを守らないやつに、背中は預けらんねぇ!」

「背中? はっ、一体いつお前らが隆二に預けたって言うんだよ。それに決まりもなにも、お前らは今、俺に無断でここに来て、あげくの果てに関係ねぇやつ巻き込んでんだろうが」

「……それ、は、」

「反論できねぇよな? そりゃそうだ。自分を正当化して、気に食わない隆二をただ追い出そうとしてんだもんな? 勘違いすんのもいい加減にしろよ」


慈悲のない、それは真っ当な意見を兄が言い捨てる。
正直、そんな兄を見ていて思ったのは驚きだった。この人にはこんな筋があったのかって。真っ直ぐ、シャンとしていて、正論。

……なのに、俺のことは殴るんだって。


「いいぜ、俺は。隆二を追放すんならそれでもな。けどそうしたら俺もお前らも機能しなくなるだろうな。なぁ、分かってんのか? 俺たちが知らねぇあいだに、隆二が一体どれだけ苦労してんのか、分かってねぇよな?」

「……」

「そうなったらブラックマリアも群れてる必要はなくなる。俺はな、なにもお前らのために総長やってんじゃねぇんだよ。誰の為でもねぇんだよ。ただ隣を歩くくらいは許可してやった隆二がいて、そこに群がったお前らがいる。それがブラックマリアなんだよ」

「……」

「だからよぉ、早い話、解散すりゃいいと思わねぇ?」

「――なっ!?」




 


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