「ひっ……あ、あっ、あぁ……っ」
「っ、挿れただけで、イッてんじゃねぇよ」
のけ反った背中も折り曲がった足もガクガクと痙攣し、いつのまにか掴んでいた玲央の腕には深く爪がくい込んだ。焦点の合わない視界でこちらを見下ろす玲央を眺めていると、未だ震える俺の顔中に舌を這わせてくる。それが妙に優しくて、爪先がより肉をえぐった。
「まだ、全部入ってねぇ」
「あっ、……う、うそぉ……っ」
「ほんと」
ちゅっ、と軽い音を立てながら唇をついばむ玲央が微笑む。
「痛いか?」
「やっ、あっ、じょくぞくっ、する、ぅ……っ」
「……っ」
痛みはなかった。ただ、恐らくまだ先端しか入っていない怒張に絡みつく体内から伝わるのは、全身をびりびりと細かに刺激する快感だ。息を詰めた玲央がゆっくりと腰を進めれば、みちみちと肉を押し広げる感触に腰が抜ける。
「っ……はぁっ」
「んっ、ひっ、あ、はぁっ」
未だ痙攣する俺の腰を支えながら、眉根にしわを寄せた玲央が甘い息を吐く。それを吸いこむように喘げば中がうごめき、怒張を締め付けた。
「おまえっ、くそ……っ」
「あっ、れお……んっ、」
ぽたり。玲央の額から零れ落ちた汗が頬を伝う。快楽に目を細める獣のそんな姿があんまりにあんまりで、俺は思わずその唇に喰らいついた。瞬間、
「――〜〜〜っ!?」
一気に奥まで穿った玲央の爪が腰に突き刺さり、俺の悲鳴までも奪い取った獣がついに俺を喰い尽くす。
想像を絶する甘美な快楽の世界に、俺の肉体は内部までも痙攣し、悦んでいた。
「ぷはっ、あっ!? あっれ、れおっ、んっ、ひぃっ!」
「はっ、……くっ」
舌を吸い上げながら唇を離した玲央が、あえて触れずにいた一点を押し上げながら腰を引けば、連続で与えられる容赦のない突き上げ。自分の欲望に忠実な動きに遠慮はない。けれど再び口付けられた唇を割って、舌を絡められればそれだけで途方もなく愛おしかった。
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