「変なこと考えてんじゃねぇよ」
「……んっ、れお……」
「全部くれてやるって言っただろ。ならてめぇの全部は俺のもんだろ」
ひどく傲慢な取り替えだなぁと、肩で息をする俺に目を細めた獣は、手に付着した俺の精液を目の前で舐めた。驚く俺を余所に、わざとらしく音を立てて舐めしゃぶる真っ赤な舌は、真っ白な粘液をはしたないほど美味そうに味わっている。
「余計なことは考えるな。お前は俺の下で喘いでろ。それ以外は許さない」
「……っ」
ゾクリと、身の毛がよだつ。
水かきまで滴る精液を淫らに味わう獣の瞳が、指と指のあいだからこちらをじっと見下ろしている。一切の許容もない、傲慢で強欲な、ひどく冷たい、けれど脳が煮え滾るような熱を帯びた双眸が、俺を犯している。
どぷり。その視線で先走りを漏らす俺を、黄金の獅子は卑しく笑った。
「れ、――っ!?」
「んっ、はぁ……っ」
信じられない。嘘だ、こんなの。
玲央が、あの玲央が、俺の太ももを押し上げながら下半身に顔を埋め、達したばかりの物を咥え込んだ。そのありえない光景に思わず腰を引いた瞬間、ぐぷっと音を立てながら根元までしゃぶられる。
「やっ、うそっ、やだれおっ、あっひぃっ、やめっ!」
ただただ混乱した。潔癖症の玲央が俺の精液を舐めただけでも充分信じがたいのに、それを吐き出した俺の物を玲央が咥え込むなんて。
信じられない、申し訳ない、頭がおかしくなりそうだ。なのに玲央はそんな俺の思考を根こそぎ奪っていくように、舌を絡ませ先端まで吸い上げた。
「ひっ、やっあっあぁっ!」
先ほど達したばかりの熱が強引に呼び覚まされる。下品な音が直接鼓膜に響くようで、俺は涙を溢しながらビクビクと震えた。
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