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「いい加減にしなさいっ!」


そのまま一つ、声を張り上げた俺に司さんと巴さんが目を丸くした。


「まったく、本当にもう……良い大人がなんですか、なんなんですか。麻薬組織だのノアさんだの、しまいには俺、麻薬の運び人ですか? ふざけるのも大概にしてください。寄って集ってなに企んでるのかまったく持ってこれっぽっちも分かりませんけどね、兄弟そろってまともな食事も取らないとはどういうことですかっ!」

「……あの、小虎、くん……?」


俺の姿にさすがに戸惑う司さんの膝に、お盆ごとお粥を置いてやる。ビクリと跳ねた司さんの姿は、ほんの少しだけ間抜けだった。


「俺、司さんがしていることには意味があるんだと思ってます」

「……」

「なにかを企んで、そのためにあんな、あんなわざと豹牙先輩を遠ざけるようなことを言ったり、したんだと思ってます」

「……」

「でもだからって、違うやり方もあったと、そう思ってもいます」


目を真っ直ぐ見つめながら語る俺を呆然と見ていた司さんから先ほどまでの間抜けさは消え失せ、今は別人の如く冷えた視線でこちらを見つめ返している。チッ、と舌打ちを漏らすと、彼は自分の膝にあるお粥をお盆ごと弾いた。


「なにそれ、ちょー面白いね」

「謝ってください」

「なにも知らないくせにお説教? ほんと君って反吐が出るほど可愛いよ」

「謝ってください」

「だいたいなに? 違うやり方とかさぁ、豹牙のことは俺が一番分かってるし、あいつのためなら最善の策を選ぶに決まってるでしょ? 横から茶々入れてなにがしたいわけ? 黙って指咥えて玲央の帰りでも待ってなよ」

「司さん、謝ってください」

「っせーな、謝るもなにもこれが一番良い選択なんだよ、豹牙に謝る必要なんてない」


ブチッ。まるで駄々をこねる子供のような言い草に、俺の血管がブチ切れた。


「人が作ったお粥を無下にしたこと謝れっつってんだよッ!」




 


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