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弟自慢? - 2



「まぁ、なんだ。司さんが豹牙と小虎の二人を見て、俺の豹牙は色っぽいだとかなんだとか言いはじめてな……」

「クソだな」

「豹牙お前……まぁ、俺もこんな場所でなに言い出すんだって驚いたんだが、なぜか弟自慢をはじめた司さんに玲央が乗っちまってよ……」


そう、それ。それが信じられないのである。
あの玲央が弟自慢? いやいやいや、天地がひっくり返ったって絶対にありえない。


「……玲央、酔ってるとか?」

「いや、あいつザルどころかワクだぞ」

「わく?」

「あー、とんでもなく酒に強いっつーか、もう酒の無駄ってくらい酒豪っつーか」


素朴な疑問を投げかける俺に応える隆二さんは、やっぱりお兄ちゃんみたいである。


「でもあの歳で酒豪って……どうなんですかね、それ」

「まぁガキの頃から飲んでたしな、アイツ」


もはや弟談義をしている玲央と司さんは眼中になく、隆二さんとのんびり話をしていると、ふいに頭をくしゃくしゃ撫でられた。
振り向くと、そこには何故か悪戯気に笑う豹牙先輩の姿が。


「司も玲央くらいのときはワクだったぞ」


ニヤリ。なんとも素敵な黒い笑み。司さんの弟であることを認めざる得ない良い笑顔だ。


「そもそも初代総長だってこと、玲央は忘れてるみたいだけどな」

「え……と、そうですよね。そういえば司さんって、初代総長だったんですよね。仁さんより喧嘩強いんですか?」

「あぁ。しかもえぐいとこばっか狙ってくるから、司の喧嘩は見ててグロい」

「え、それは見たくないです」

「でもまぁ、司って喧嘩よりパソコンのほうが得意だったしな」

「あ、そうですよね。俺、パソコン苦手だから尊敬します。ネサフでレシピ探すんですけど、いっつも変なとこ押しちゃって」

「……今度、教えてやろうか?」

「え!?」


豹牙先輩の申し出にパァッと花が咲いてしまった。いかんいかん、つい嬉しくて。




 


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