雪だるま
「雪だるまつく〜ろ〜!!」
すっかりおなじみになった例の歌を歌いながら年の離れた妹が部屋に襲撃してきた。
どうにも雪だるまを作るまでは、気が収まらないらしい。せっかく休みなのに…と内心思いながらもやっぱり妹は可愛いので仕方なく服を着込んで外に出た。
妹と一緒に雪玉を転がして私もオリジナル雪だるま製作に勵む。
「あれ、苗字?」
「え?」
急に名前を呼ばれて振り返ると私服の白馬くんが立っていた。
「白馬くん?」
どうしてここに、と目を丸くすると走ってる途中だと説明される。今日は部活がお休みらしい。
「お姉ちゃんのお友達おっきーい!!!」
妹が目を輝かせて白馬くんに駆け寄る。
すごい、格好いいと白馬くんの周りをちょろちょろする妹に、白馬くんはどこか嬉しそうだった。
「妹ちっこいな〜」
「まだ小学生なんだ」
「歳離れてんだな」
俺一人っ子だから兄弟羨ましいわ、と白馬くんが妹を高い高いする。きゃっきゃと喜ぶ妹は「お兄ちゃんも雪だるま作ろう!」白馬くんを誘う。
「だめだよ。白馬くん走ってる途中なんだから」
「えー!!」
不満の声をあげる妹に白馬くんは「じゃあ次の休みに作ろうぜ!」と言う。
「姉ちゃんに連絡するからな」と妹と指切りをした白馬くんは、私に連絡先を教えるように言った。思わぬ展開に戸惑いながらも連絡先を交換する。
そしてその日のうちに「次の土曜どうだ?」という連絡が来て、まさか約束を守ってくれるとは!と驚かされることになるのだった。
←
→
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -