ビリビリビリビリ
私はラクサスと同じくらいの時期にフェアリーテイルに加入した。
最初こそぼちぼち仲良くしていたとも。
一緒にご飯を食べて、笑って、泣いて、切磋琢磨しあって、お互いS級魔導士になろうと約束して。
それが今では
「リクエストボードの前でぼーと立ってんじゃねぇよ」
こうだよ。
「……」
気が付けばラクサスとは口と拳と足と魔法で語り合う仲になっていた。……というか、ラクサスがめちゃくちゃ感じ悪くなった。
いつからかははっきりと覚えていないけど、グレイやエルザ、ナツが加入して……そこそこギルドが賑やかになってきた頃だったような。
男女の友情は難しいものとはいえ、少し寂しいとも思った。
今は思ってないけど。
「聞いてんのか」
「はいはい雷雷」
「あ"?」
「これにしよっと」
「おい、それは俺が狙ってやつだ」
「はあ?知らないわそんなん。ていうかアンタはS級いってこいよ」
「俺がどの依頼を受けようが勝手だろうが」
「はいはい勝手勝手」
「テメェ……」
バチバチと。
睨み合いを続ける私たちの間に、
「二人で行けば良いじゃない」
にこりと微笑みながらそう言うミラちゃんがやって来た。
ラクサスは「……チッ」なんて舌打ちをして去って行く。
その舌打ちに、対私のように敵意はない。
「ありがとう、ミラちゃん」
「ううん。ほんと困った奴よね、アイツも」
「ほんとに。ミラちゃんに対する態度を少しでも分けてほしいよ」
なんて。
一億回輪廻転生しても無理だろうけど。
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