暖かな朝 窓から入り込んできた日差しが眩しかった。 春の空に浮かび始めた太陽の日差しは、丁度良い温度となって彼に当たる。 朝が来たことを知らせるそれ。 彼は横にしていた身体を起こし、予定通りの時刻に起床した。 閉めたはずの空色のカーテンの間から漏れる光。 一瞬アイカメラをぎゅっと閉じつつ、手で擦るようにする。 隣を見ると、そこにいたはずの者は既にいなかった。 しかしそこに触れてみると、温もりがまだしっかりと残っている。 その場所にいた彼も、まだ起きたばかりなのであろう。 まだ半分寝ている感覚の機体を動かし、タイムはベッドから降りて部屋を後にする。 *** 居間へと辿り着き、足を踏み入れる。 そこに入り込んだ日差しのおかげか、室内は暖かく感じられた。 台所から響く、何かを焼く音。 フライパンを持ち朝食を作る、一体のロボット。 タイムの隣で、先程まで寝ていた彼。 その彼が、タイムには一瞬天使に見えた。 彼――アイスに歩み寄ると、タイムは彼を優しく抱きしめる。 それに気付いたアイスは顔をタイムへと向け、嬉しそうに微笑んだ。 彼の顔が接近してきたと同時に、アイスは目を閉じる。 二体の唇がゆっくりと、しっかりと重なった。 結婚し夫夫となった二体。 おはようの挨拶のように交わす、甘く幸せなキス。 それは、二体に一日の始まりであることを知らせた。 「…おはよう、アイス」 「おはようございます…タイム」 愛する者の優しい笑顔は、タイムの心を太陽のような暖かい気持ちにする。 タイムはもう一度、アイスを優しく抱きしめた。 「卵焼きが焦げてしまうでありますよ…?」 「少しくらい、いい」 アイスはもう一度、ふふ、と声を出して優しく笑って見せた。 一時して居間に漂ったのは、卵焼きが焦げた匂い。 それを含めた朝食を美味しく食べ合うのは、もう少し時が経ってからのお話。 *** 夫夫になって、朝おはようって言い合うほの甘な二人が書きたかったんです…´`* 出来るだけ短くシンプルに…! 2015/04/27 [*前]【TOPへ】[次#] |