Let's PARTY♪ (3/?)









そんな壮絶なお買い物レースのあと。



出雲荘では合コンと言う名目。
実際にはただの宴会。そんな催し物が繰り広げられていた。


「乾杯ー!」

「かんぱーい!」


お買い物勝負の勝者、結は満面の笑みで缶を掲げ、草野のコップと当てて音を鳴らした。
それが今から数刻前のこと。
開始早々既に結の頭からは「合コン」という目的が抜けていたようだ。

「クフフ……個々の限界を測る絶好の機会です」

思う存分飲むですよ、と両手に缶ビールを構え飲ませる気満々な松。
既に酔っているようでふらふら覚束ない足取りで標的を探している。





「皆人さんもう飲まないんですか?」

「よく飲むね、結ちゃん……」

ぽやーっとした顔をしながらも飲むことをやめない結に苦笑いしつつ、大丈夫かと問いかける皆人。


「はい、大丈夫です!でも、なんだか眠くなってきました〜……」


全て言い終わらない内に机に突っ伏す結。

その隣では草野が缶ビールに手を伸ばす。

「くーも飲む!」

「くーちゃんは駄目ぇ!!」

だいぶ飲んで頭が回らなくなってきていた皆人。
だが草野のその一言には反射的に反論し、慌てて酒類を草野から遠ざける。

「くーだけ仲間外れ…えぐっ…」

取り上げられ泣き出してしまった。みんなと一緒がいい、と言う草野におろおろする皆人。

見かねた美哉がフォローに入る。

「くーちゃん、お酒は体に悪いから駄目よ?」

よしよし、と頭を撫でて落ち着かせる。


「佐橋さんも、程々にしてくださいね。あぁならないように」

美哉の視線の先には静かに寝息をたてている月海の姿。
周りに煽られて一気飲み。それを何度もしたせいでこのような様子だ。


「ははは……」
乾いた笑いをこぼす皆人。


「それにしても、あっちはすごいなぁ……」

部屋の隅へと目を移すとと空の瓶がたくさん転がっている。

宴会の生き残り二名。
案の定…と言うべきか。飲み慣れている風花と焔が残った。

「あら?もう皆酔いつぶれちゃったの〜?根性無いわねぇ〜…。」

「仕方ないよ、皆そんなに飲んだことないだろうし」

「焔ちゃんもよく飲むわねぇ…結構顔赤いわよ」

「そんなに飲んだかな…別にこれくらいでダウンするならやっていけないって」
缶を振りながら言う。

「…でも少し飲み過ぎたかな。」

ちょっと夜風に当たってくる、と言葉と共に立ち上がる。


「えー私一人で飲むの〜?それじゃあいつもと変わらないじゃない」

つまんない〜と口を尖らせる風花。


「君も飲み過ぎないようにね」

飲むのはいいけど程々に、と釘をさし部屋を後にする。


そんな一連の流れを見ていた皆人。

風花と目が合う。
にっこりと微笑みながら言う。


「皆人クンもこっちで飲みましょ」

「あの、俺そろそろ限界……」

「あー私と飲みたくないってわけ」


お姉さん悲しいわ〜としょげたように言う風花。
酒の作用もあるだろうが彼女の目元にはわずかに涙が光っており。



「のっ飲みましょう、風花さん!」


皆人にはなだめるしか選択肢は残っていなかった。










次から個人ルート予定。
(2010.9.20)








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