第二幕「舞踏会」
所変わって、夜の宮殿。舞踏会では華やかなダンスが繰り広げられていました。
♪
Pretty woman walking down the street
Pretty woman the kind I like to meet
Pretty woman I don't believe you;you're not the truth
No one could look as good as you
(可愛い彼女 通りを歩いてる彼女
可愛い彼女 知り合いになりたいタイプ
可愛い彼女 信じられない 君は夢か幻
君ほどカッコイイ子はそういないよ)
♪
(ダンスの途中で上手かた王子登場)
今宵の舞踏会は、随分盛り上がっているなぁ。
(王子上手型下手の方向に移動しつつ)
(女五、六人は踊っていた男を捨てて王子にたかる)
私と踊ってください!
用事があるので……
私と踊ってください
ありがとうございます。
私と踊ってください。
先を急いでいますので。
私と踊っていただけません?(気取って)
またの機会に。
私と踊ってくださる?(挑発的に)
遠慮しておきます。
私と…
(継母のセリフをさえぎり、舞台の下手端まで来て胸に手を当てて)な、なんと!!(走って退場)
(王子退場後、シンデレラが心細そうに下手から出てくる)
人ごみで、どうすればいいのかわからないわ……(ウロウロ)
(上手から出てくる)なんて美しい人なんだ。こんなに美しい人は今まで見たことがない!!(駆け寄って)僕と一緒に踊っていただけませんか。(ひざまずいて手を差し出す)
(両手を胸に当てて)わ、私ですか?(差し出された手を受けて)はい、喜んで。
デレラ、下手からはける。王子、エスコートして)
(上手から女たちが出てくる)
何なの!あの女は!
誰!?あんなにきれいな人見たことないわ!
《ガールフレンド/アヴリル・ラヴィーン》
(曲終了しだい全員はける)
(シンデレラと王子、二人で出てきて踊る)
今日は来てくれてありがとう。
はい。
君に会えて、僕は幸せだ。
そんな……ありがとうございます。(王子とはなれて照れる。)
そうだ!君の名前を教え……
(0時の鐘)
いけない!すみません、今日は失礼します!(走り去る)
待って、僕は、僕は君が……(追う)
(ステージを一周してシンデレラは靴を置いて逃げる)
どうして……
(王子、靴を持ってとぼとぼと退場)
その夜、王子は王や執事を呼びました。
(執事、王ほか召使二人)
金融業の裕福な娘さんも、政治家の娘さんも、豪農の娘さんのお申し込みも断って……お前は王家の後継ぎなんだぞ!!
父さん、僕、好きな人ができたんだ。
まさか、今晩ずっと踊っていた名前も知らない少女か?
あぁ、そうだ。……名前を聞きそびれたんだけど……
名前も、顔もわからないような小娘となんか付き合うな!どうせ身分も卑しいのだから!(怒って出て行く)
爺や、頼みがあるんだ。
(やさしく)はい、王子。何なりと。
(靴を差し出して)僕の好きな人が残していったものだ。これに足のぴったり合うきれいな女の人を捜そうと思ってるんだ。それで……
承知しました。部下を二、三人つけましょう。私もお供いたします。
本当か!?恩に着るよ。それで……
お父様には御内密にしておきましょう。
(勢いよく立ち上がって)ありがとう!本当に。
(部下とともに去る。去り際に振り返って)王子、
何だ?
後悔だけはなさってはいけませんよ。(去る)
……絶対にしないさ。
《Love so sweet/嵐》
第三章