帰り道、二人並んで歩く。隣をカップルが通りすぎた。それを横目で見ながら私達もカップルに見えるのかな、なんて乙女的思考になり、つい隣の彼を意識してしまう。いや、意識って別に好きだからとかじゃなく…カップルが通りすぎたから、ちょっと意識してしまうだけで…
誰かに話しかけるわけでもなく、心の中で1人呟く。
すると木吉くんに話しかけられた。
「改めてマネージャーよろしくな!」
『あ、うん』
「どうかしたか?」
『なんでもないよ』
平然さを保ちながら答える私。お見舞いでよく木吉くんに会いに行ってたけど、同室のお婆さんやそのお友達も居てたから二人きりになるなんて、あの日以来なかったから…変に心臓がドキドキ鳴る。さっきのカップルのせいだ、だって昨日は大丈夫だったもん。
ふと、あの日…木吉くんに抱きしめられた事を思い出し顔が赤くなる。
なに、思い出してるんだ自分!あの時は仕方ないよ。
「名前?大丈夫か?顔赤いぞ?」
『え?』
「さっきからボーとしてるし、体調悪いのか?」
『えっと、大丈「んー、熱はないな」!!?////』
私の返事が言い終わる前に、おでことおでこをくっつけて、熱があるかどうかを確認してくる彼にさらに顔が赤くなる。
ち…近い…//
「名前…」
まだ、おでこをくっつけている彼
『な、に//』
「無理するなよ?マネージャーしんどくなったらいつでも言っていいからな?もし名前が体調崩して倒れてでもしたら俺、試合どころじゃなくなる」
と、おでこを離しながら言う彼に安心する。これは心配して…という事だよね?
『大丈夫だよ、そんなヤワじゃないから私』
「でも無理しちゃダメだからな?」
『それはお互い様でしょ?』
「それもそうだな」
◆体調よりも、今のあなたの行動で倒れてしまいそう
((頑張れ心臓!))
―――――――
なんでこいつら付き合ってないの…←
20140529編集