『と、いうことで、よろしくお願いします』
「いやいや、まだ何も説明聞いてませんけど!?」


――――

今日もいつも通りの朝。いつも通りの学校。ただ違うのは放課後。今日からバスケ部、マネージャーなのです。…誰かさんが退院するって教えてくれてたら、昨日からマネージャーだったんだけどね。まぁもう過ぎたことは仕方ない。今日からマネージャー業、気合い入れて頑張ろう。そう意気込み、冒頭にいたる。

「いや、それ意気込んだだけで、声に出てないから。」

すかさず日向くんがツッコミをいれる。

『あ、そっか』

放課後、ジャージに着替え、体育館についた私はキャプテン、カントクの隣に立たされ自己紹介をしろと言われた。何を言おうか考えていたら、勝手に意気込みだけして何も自己紹介していない事に日向くんのツッコミで気づく。てか、まずマネージャーになる〜とかなんとかで紹介を始めてくれたら、やり易いのに。

『えーと、改めまして、今日からマネージャーになる名字名前です。中学の頃、バスケをしていたので少しは役に立つとは思います。皆さんのサポートができるように頑張ります。』

ありきたりな言葉を並べ自己紹介をする。「よろしくー」と、2年部員。「よろしくお願いします」と1年部員が言ってくれる中、隣で冷たい目をしてくるカントク&キャプテン。

『え、なに』
「「普通過ぎて面白くない」」
『は、』
「とりあえず、火神くんと1対1しよっか☆名前☆」
「『は?』」

私は誰かと見事にハモった。ハモった声をする方へ顔を向けると、赤髪の背の高い子がいた。するとその子の隣の水色の髪の子と目が合う。

「お久しぶりです、名前さん」
『あ、久しぶり、黒子くん』
「え、なに黒子お前、知り合いだったの?」と他1年の子が驚く。

「はい、中学の先輩です。」
「中学って、帝光の?」
「そうです。そして名前さんは女子バスケ部キャプテンでした。」
「そう、さらには"女版キセキの世代"だなんて言われているわ」
「「「えぇえええ!?」」」

黒子くん以外の1年の子達がが驚く。2年は知っているので特に何も反応がない。

「キセキの…世代」

赤髪の子…もといい、火神くんがボソッと呟く。

「でも、なんで火神と1対1をするんだ?」

木吉が私も疑問に思っていたことを聞いてくれた。

「ありきたりな言葉を並べられた自己紹介より、実力を見た方が早いでしょ」
『いやいや、マネージャーの実力を見たところでどうすんの』
「だって私、名前のバスケの実力しらないもん」

いや、それ完全に自己紹介関係ないじゃない。

「実は俺も気になってた」
と、便乗してリコの隣のメガネが言う。この際、メガネ呼びなのは気にしないでほしい。

「そう言われたら気になるかも」と2年がザワつきだす。

「だったら、俺ももう一度、名前のプレイを見たい」

笑顔で言う木吉くん。…もう一度って、一度でも彼に見せた事あるっけ?あれ?すると、伊月くんがハッと目を見開く。

「ザワつく金沢さん…キタこれ!」
『金沢って誰だよ』

そんな伊月くんのギャグを華麗に無視するバスケ部員の皆さん。しかも1年生、もう馴れてる…。そこに少し感心しているとリコが大きな声を出す。

「じゃあ、始めるわよー」
『え、いや、拒否権なし!?それに火神くんはいいの!?』
「俺はいいッスよ」

何故かスイッチが入っている火神。な、何故…


◆はじめまして
(名前!頑張れよ!でも相手は男だし無理するなよ?)
(…。(そう思うならリコ達を止めてくれたらいいのに))


―――――――

1対1の相手を誰にするか迷ったあげく火神にしました

20140529編集

prev next


- ナノ -