よし、一言であの人を言い表そう。
超意地悪。
私は今、泥門高校のグラウンドにある、茶色のベンチで、綺麗な女性の先輩のお手伝いをしている。

「手伝わせちゃってごめんね」
「あっ、いえ。急に来てしまったのでこれくらいは」

ああ、まもり先輩本当に優しい。
この部活に入ってもいいかもしれない。

「ケケケ、じゃあ他の仕事もやってみるか?」

前言撤回ここの部活に入ったら胃潰瘍になる。
軽いプラスチックの水筒から顔を上げるとニヤリと笑う、金髪の先輩。
この人が鈴音が言っていた優しい先輩(のはずの)蛭魔妖一先輩、もといよーにい。
優しいとはかけ離れた容姿のこの人はこれまた優しいとはかけ離れた言葉遣いで私を弄ってくる。

「あー……具体的には?」
「奴隷の増量、校長に部室増築の申請、糞部員共のマッサージにオレの銃の手入れ。銃の手入れは失敗したら殺す」

私は肩を落とした。
さっきからずっとこんな調子。
私とまもり先輩、鈴音と三人で話してるときも、度々ちょっかいを出してきた。
なんなんだ。まもり先輩が好きなのか。
きっとそうだ。だって練習中もこっちの方をチラチラ見てはまもり先輩に視線を送ってるもの。
全く、まもり先輩と初対面の私にまで嫉妬しなくたっていいじゃないか。本当、早くも胃が疲れてきた。


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