男子校だというのに、全く荒れていなかった。
教室は畳で、皆はそこで正座をしている。
随分しっかりとしているな、年頃なのに、となまえはひょっこりと顔を覗かせた。
すると、教室の大半がガタッと立ち上がり、後の半分はポカンと口を開けなまえを見た。

「女子だ!!!」

流石男子校。
反応は早いわ声がでかいわで、なまえはついたじろぎ、少し後ずさりする。
武川は大きく溜息を吐き、大きな声で男子生徒たちをなだめ、座らせた。
なまえはすっかり怯えきっていた。
武川はちょいちょい、と手招きをしてなまえを教室に入るように急かした。
おずおずと畳に上がり、武川のそばに駆け寄った。

「今日から転校してきたみょうじだ。
お前らくれぐれも手を出すんじゃねぇぞ」
「ちょ、武兄……はあ。今日からこちらでお世話になるみょうじなまえです」

自己紹介をすると、疎らな拍手が返ってくる。
武川はうーん、と唸った。
どこの席に座らせようか決めていなかったのだ。
まあ、今日は丁度金剛もいないしな、と武川は奥の方の席に座るように言った。
するとガタッと数人の男子生徒が立ち上がる。

「た、武川先生!そこの席は……」
「大丈夫だよ、アイツどうせこねぇだろ」
「バレたら殺されますよ!」
「殺されねぇよ!阿保か!座れ!」

なまえは後に、その数人男子生徒はアメフト部だということを知った。

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