「いやあ、なまえとの出会いは本当、刺激的で衝撃的だったっちゅう話……」
「何があったんだ?」
「ウチはもう早う忘れてほしいんやけど」
「忘れたくても忘れらんないよアレは」

マルコは肩を竦めて笑った。
なまえは顔を赤くして居心地が悪そうに顔を顰める。
なまえの向かいに座っている峨王は、珍しく興味があるようでそっと耳をすます。

「コイツ、二年の始業式の日に、窓を破って教室に入ってきたんだよ。外国のスタントマンもビックリな綺麗な着地で。初日から教師に怒られてガラスを罰金。」

マルコはその時を思い出し、苦笑いをする。
なまえは顔を真っ赤にして、顔を覆った。
氷室と峨王は目を丸くした。
峨王でさえ初日は誰にも手を出さなかったのに。
しかも窓を破って入るとは何があったのだろう。

「部屋間違うただけなんよ、予定では校長室に……」
「なんで校長室に入ろうとしたのよ」
「色々とあったんよ」

なまえは遠い目をした。

[ 44/52 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -