拉致したはいいが、どこに行くかを考え、うろうろしていた。
因みにみょうじは俺の隣で不安そうにきょときょとと周りを見渡し、辺りを警戒していた。
警察に補導されては敵わないと思っているのかもしれない。
適当にブラブラして見つかるのも面倒だし、おまけにゲーセンなんてもっと警察の目が厳しいだろう。
そんなことを考えていると、みょうじは俺の腕をぐいぐいと引いて、眉を寄せた。

「せめて制服はやめよう」
「あ?ああ、先着替えるか」

意外にもノリノリなみょうじと、着替えたら王禅寺の近くにある公園で待ち合わせ、ということになった。
一旦別れ、家に帰った。
家に帰っても、親は共働き、雲水チャンは学校で生真面目にお勉強をしているため、誰もいなかった。
自室に戻り、(雲水と相部屋だが)タンスを引っ掻き回し、大きめのシャツと真っ黒なデニムを履き、学校指定の靴下を脱ぎ、サンダルを履いた。
玄関に置いていた家の鍵と、ゴツゴツした装飾の財布をポケットにねじ込む。
6月のじわじわする暑い日差しに舌打ちをした。
あーそういや今中学三年だっけか、みょうじ馬鹿だけど大丈夫か、なんてぼやーっと考えていると、いつの間にか公園についていた。
木陰に走りこんで深く息を吐く。
クソ、汗かいた気持ちわりい。
あー高校どこ行こう。試験とかめんどくせー。
推薦で入れるとこねえかな。



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