「金剛!!」

サンダルでパタパタ駆け寄ってくるみょうじ。
それを見るとなんだか、こう、犬を見ているような気分になった。
柴犬みたいだと思い、みょうじの頭に手を持っていく。
手を振り上げ、チョップをした。

「いっだ!!!」
「おせーぞ。あと二秒で帰るところだった」
「待ってくれてアリガトウゴザイマス」

唇を突き出して不満げに言った。
その顔が面白くて、ゲラゲラと笑っていればみょうじはバシバシと俺の肩を叩いてくる。
よえー、と言いながらデコピンをすると、バシ、と乾いた音がする。
痛かったようで額を抑えながらプルプルと震えている。
スタスタと駅の方に歩いて行く。

「怒った!私は怒ったぞ金剛!」
「あーハイハイ、あとで何か奢るから許してねぇ」
「許す!」

安いな、と呟き後ろを見るとまたみょうじは犬みたいにパタパタ走ってくる。
俺の隣につくと笑顔になる。
よくできました、と言いながら頭を撫でてやると、馬鹿にしてるな、とまたみょうじは笑った。



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